魅力あふれる「ご当地スーパー」

全国には20,840件のスーパーマーケットがあるが、その中で限られた地域だけで展開する「ご当地スーパー」が数多く存在する。(※出典「統計・データでみるスーパーマーケット」1月8日現在)

これらの「ご当地スーパー」は、全国展開しているスーパーとは違い、地元の食材など、その土地ならではの商品を販売しているのが魅力だ。

そんなご当地スーパーについての本を出版しているスーパー研究家の菅原佳己さんにオススメの「ご当地スーパー」を案内してもらった。

スーパー研究家の菅原佳己さん

岐阜県が誇る名湯・下呂温泉。草津、有馬と並び日本3名泉と称される温泉街で菅原さんが立ち寄りたいスーパーがあるという。

岐阜の名湯 下呂の温泉街

訪れたのは温泉街から車で10分の「ショッピングセンター ピア」の中にある、「GGシェフ やましげ」というご当地スーパー。一見、普通のスーパーだが、菅原さん曰く「わざわざ行きたくなる」ような場所らしい。

スーパー研究家・菅原佳己さん:
ここは油揚げの多さがすごいんです。寒い地域は、昔冬になるとたんぱく質の元になるのが大豆しかなかったんですよ。だから大豆商品がこれだけ豊かに発達したんです。

油揚げが豊富に並んでいる

様々な種類の油揚げがあるが、この地方の特徴は「分厚い油揚げ」、焼くだけでおかずになり、さらに豆腐の種類も豊富で、大豆を使った商品の多さが一目で分かる。

ここでしか買えない絶品!ローカルフード

鶏ちゃんの種類はなんと26種類

しかし、このスーパー最大の特徴は「鶏(けい)ちゃんコーナー」。
「鶏ちゃん」とは鶏肉を野菜とともに炒め、しょうゆや味噌で味付けする岐阜県の郷土料理。
かつてはお祝いの席などで振舞われていた。やましげは、とにかく「鶏ちゃん」の種類が豊富で飛騨地方の様々なメーカーの鶏ちゃんが26種類も並んでいる。

この中で菅原さんが特におすすめだという商品が、このスーパー自家製の鶏ちゃん
しょうゆで味付けした鶏肉と刻まれたキャベツがセットになっている一品だ。

「やましげ」のスーパー研究家オススメは岐阜の郷土料理“鶏ちゃん”

炒めるだけで完成という主婦にはうれしい商品だが、注意点がひとつ。

スーパー研究家 菅原佳己さん:
冷凍商品じゃないので、遠くから来た人が買って帰るのが難しいんです。もしこれを買いたければ、保冷材と保冷バッグが必要です。

お店からの配送もできないため、ここに来ないと買えない、まさに「幻の鶏ちゃん」。

地元の方々が、実際に家庭でどうやって作って食べているのか?
お店で作り方を教えてもらった。ポイントは、フライパンにクッキングシートを敷くことだ。

クッキングシートを敷いて焼くだけでおいしいおかずやおつまみに

タレが染み込んでいる鶏ちゃんは、油も不要だが、焦げ付きやすいため手を止めずに焼くのが鉄則。そのまま5分ほど焼いて完成。はたして、そのお味は…?

リポーター:
すごく柔らかくて、口の中にしょうゆの香りがふわっと広がる感じです…」

スーパー研究家 菅原佳己さん:
お酒を飲む人にも、おつまみとして丁度いいし、ご飯のおかずにも丁度いい、しょうゆ加減です。
地元の人にとっては些細なものなんだけれども、私たちにとっては“お宝”みたいなものを知ることができて、そういうものを求めて旅に行くのもいいですね…

旅行ついでにスーパーで地元の食文化をぜひ一度、感じてみよう。

「朝まで泳いでた魚」を求めて連日の行列

「フードオアシスあつみ 山田店」:愛知・豊橋市

そしてもう1か所、愛知県豊川市の豊川稲荷へ。この近くにも菅原さんイチオシのスーパーがあった。

豊川稲荷から車で南へ20分。やってきたのは、「フードオアシスあつみ 山田店」

お店の一番の売りは、「健康になれる食材」
“無添加”や“国産”などなど、体に良さそうな言葉がついた商品がたくさん並んでいた。

安心・安全な食生活にこだわりたい方にはぴったりだが、菅原さんのイチオシは「魚」だ。

スーパー研究家 菅原佳己さん:
やっぱり、健康ということは新鮮なものを食べるということなんですよ。
ここは毎日、伊良湖港から魚が直送されてくるんですよ

一番の魅力は鮮魚コーナー。その日の朝に伊良湖漁港から水揚げされた魚介が店頭に並ぶ。

「あつみ」の人気は港から直送の鮮魚!行列もできる

午後3時からの販売だが、午後1時半から整理券が配られ、魚を目当てに連日行列ができる人気ぶり。

この日も、アジとモンゴウイカを買うために正午ごろから待っていたお客さんも…

並んでいる客:
整理券を大体、午後1時30分に配ってくださるんですよね。でも早い方は12時30分くらいに来る方もいます

常連客:
お魚はここで買うって決めています。新鮮ですし、朝まで泳いでたってよく言われるんですよ

スーパーの食材で調理「グローサラント」

「あつみ」から車で5分の「あったかキッチン まあるいおさら」愛知・豊橋市

新鮮な地元食材がお客さんを惹きつける…。これだけでも魅力があるように感じるが、実はこのスーパーにはもう一つ人気の理由があった。

スーパー研究家 菅原佳己さん:
実は、ここの食材を使ったものが食べられるスーパー直営のレストランがあるんです。

フードオアシス あつみから車で5分。豊橋市に2年前オープンした「あったかキッチン まあるいおさら」。

スーパーで売られている食材の魅力を生かして提供してくれるので、おいしいだけでなく、メニューのアイデアも浮かぶ。

渥美半島などでとれた新鮮野菜が食べられるビュッフェが人気

おすすめは渥美半島などでとれた、新鮮野菜のビュッフェが食べられる「日替わりランチ」1620円。
メイン料理は、その日の仕入れによって変わるが、この日は渥美半島で飼育されたブランド豚「あつみポーク」だった。

スーパー研究家 菅原佳己さん:
この“あつみポーク”もスーパーで売っているものと同じお肉を使っているんです。

あつみポークのネギ塩焼肉 1680円

実際に販売されている商品を使って、スーパーが料理を提案。
これはグローサラントと呼ばれる今注目のスタイル。

スーパー研究家 菅原佳己さん:
『フードオアシス あつみ』の商品は、良い商品なので、子育て世代にはちょっと高いかなという値段ではあるんですね。ただ、そういう世代のお母さんたちにもここでランチをしてもらうと、良さがわかるじゃないですか。そうすると、この食材を使って家族のためにおいしいものを作ってあげようという見本がここにある。気持ちも高まるので、お客さんにとってすごくいい入り口になっているんです

ご当地スーパーがどこまでも健康にこだわり、新たな挑戦を始めていた。

(東海テレビ)

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