ヒラメの運命は?

小学校で半年間育てたヒラメをどうするか?
12月の時点でのクラスの話し合いでは44人の児童のうち食べない派25人、食べる派19人と答えていた。

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最終的な結論を出すこの日、話し合いは冒頭から8割の35人が「食べる派」になっていた。

食べない派が9人となった今も、議論は、平行線のままだ。

食べない派の児童:
食べたらヒラメに申し訳ないという気持ちが残ると思います。どう思いますか?

食べる派の児童:
え、でも海に逃がした瞬間、大きな魚に食べられたら、そっちのほうが申し訳ないと思うんじゃないですか?

すると、また新たな意見が…
私は、食べるのでも海に逃がすのでもなく、水族館に持って行ったらいいと思います…

これには、他の女子児童も同調
「私も、水族館に逃がしてあげたらいいと思います。理由は水族館に渡したら、そこに行ったら、また(ヒラメを)見られるかもしれないからです」

しかし、ここで、この授業の講師を務めてきたNPO法人 日本養殖振興会の斎藤さんからショッキングな言葉が…

日本養殖振興会 斉藤浩一さん:
実をいうと、水族館の魚って、みんながっかりしちゃうと思うんですけど、ほとんど、死んで入れ替えています。裏では、相当なお魚の死亡がある。それが現実なんです。

子どもたちに容赦のない現実が突き付けられる。

そして、ついに決断の時が来た。
結局、最終的には44人のクラス中、食べる派41人、食べない派3人となっていた。

この結果を受け、クラス担任の西河先生は…
5年1組 西河 拓郎先生:
大多数というか、ほとんどのに人が食べる派になりました。
実際に、自分たちが育てたものを、さあこれから食べましょうということになりました。
きょう初めてそれに真剣に向き合たんじゃないかなと思います。

決断の後、ヒラメの水槽の前には、児童たちの姿があった。
「ヒラちゃ-ん、ヒラちゃーん…バイバイ…」

ついに“その日”が…

子どもたちが決断をした翌日。いよいよヒラメを食べる日が来た…
半年間かけて育てたヒラメは30センチにも成長していた。

今回、調理を担当するのは、NPO法人 日本養殖振興会の斎藤さん。

日本養殖振興会 斉藤浩一さん:
はい、では手を合わせてください。それぞれの思いを思いながらヒラメさんにね、問いかけてあげてください。では、命をいただきます…

ヒラメの体に包丁が入った…

たまらず、手で顔を覆う児童たち…

日本養殖振興会 斉藤浩一さん:
ヒラメさんには、私たち人間みたいに『痛い』っていう感覚はないんです。ただ、逃げたいだけです。

捌いたヒラメは、しゃぶしゃぶでいただいた。

児童たちの口から出る言葉は…「おいしい」

しゃぶしゃぶを食べ終わった児童に、感想を聞いてみた。
「ちょっとかわいそうだなとは思ったけどやっぱりこれが“養殖”なので…」

「最初はかわいそうで、でも痛みを感じない感じないって聞いてから、ちょっとだけ安心した気分…
でもやっぱりまだ、かわいそう…」

日本養殖振興会 斉藤浩一さん:
みなさんのヒラメさんの命はどこへ行ったでしょうか?

児童たち:
自分の中…

日本養殖振興会 斉藤浩一さん:
そうですね、自分の体、心の中に入りました。
命の大切さ…命っていうのはね、やっぱり意味があって、それを私たちは食べていかないと生きていけないですよっていうことをぜひ、忘れないようにしてもらいたい。

5年1組担任 西河拓郎先生:
命をいただいて、自分たちが生きているということを勉強したうえでたどり着いたゴール地点だったと思うので…

最後に、児童に養殖体験の感想を尋ねてみた。
「この授業を通して命の大切さが一番分かりました…」

命を育て、命をいただく…そして私たちは生きている…
半年間の養殖体験は、子どもたちが命や生きることの意味を考える大きなきっかけになったはずだ。

(テレビ愛媛)

稚魚から育てた“ヒラメ”を食べる?食べない?小学生の苦渋の決断「命の授業」①はコチラ

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