「何か質問はありますか?」
これは、新卒採用や転職の面接の最後に、面接官から必ずと言っていいほど頻繁に聞かれる質問だ。

面接官に質問をするため、「逆質問」と呼ばれているのだが、正直なところ、何を聞けばよいのか分からない。
「特にありません」と言おうものなら、消極的と判断され、減点されるのでは?と心配にもなる。

2020年春に卒業する大学3年生などを対象にした企業の説明会が3月1日に解禁となり、就職活動が本格的にスタートする中、この「逆質問」の正解とも言える、“最強の質問”を提示したツイートが3万以上リツイート、10万以上のいいねで話題になっている。

ツイートをしたのは、“転職のプロ”を自称するTwitterユーザー、「黙考の石」さん。
これまで10社を渡り歩き、幾多の面接を勝ち抜いてきたようで、その経験をもとに導き出した“最強の質問”がこちら。


「今回の面接で、何か不足している経験やスキル等の、不安を感じた点があれば、教えてください」

このように質問をした後、面接官から指摘されたことをフォローすれば、「面接突破のための追加点が狙える」と持論を述べている。

たとえば、面接官からプロジェクト管理経験の不足を突っ込まれた場合には、「確かにプロジェクトリーダーの経験はありませんが、私が担当してきた○○業務では、プロジェクト管理の要素である●●から▲▲まで、全部自分でやってきたので大丈夫です」といったように答えればよいのだという。

この“最強の質問”は「相手の求める人材像」と「自分がプレゼンした人物像」のズレを確認する狙いがあるというが、専門家の目から見ても“最強”と言えるのだろうか?

就活や転職活動に詳しい、千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平さんに話を聞いた。

「自分の熱意をアピールする上ではOKですが…」

――Twitterユーザーの「最強の質問」、どう思う?

これは、自分の熱意や成長マインドをアピールする上ではOKかと思いますが、質問を「最強」と断じること自体に疑問を感じます。

なぜ「最強の質問」と断じることに疑問を感じるかというと、そのとき、どんなコミュニケーションをしたのか、どんな会社でどんなポジションの募集で、自分がどんな人なのかによって、こちらがすべき質問は異なるからです。

――「最強」ではないにしろ、転職の採用面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれたときには、どんな質問をすればよい?

本でいえば1章分にあたりますので、網羅的に示すことは難しいのですが、簡単にいうと、「自分が活躍できそうか」、「成長できそうか」、「そのための環境が整っているか」などが確認できる質問をすればよいと思います。

具体的な例…「どのような人が評価されるのでしょうか?」

――具体的にどのような言い回しで聞けばよい?

「どのような人が評価されるのでしょうか?」「自社らしさとは何でしょうか?」と聞けば、よいかと思います。

この他では、「御社において、仕事で一皮むけた社員の事例を教えてください」というのは、“仕事の仕方”から“任せ方”も分かるので有効です。

「(志望している職種について)担当している社員の仕事の武勇伝などがあれば教えてください」と聞くと、社員の仕事ぶりが分かると思います。

前提として、募集の背景を聞いておくと、活躍できるかどうかのヒントになるでしょう。

「今回の募集の背景を教えていただけますか?(これに重ねて、たとえば、なぜ営業職を今回募集しているのですか?求める人物像はどんな人ですか?それはなぜですか?」と聞くと、ここから自分がどう成長できそうかが分かります。

また、自分と近い環境の人(年齢、中途かどうか)などについて、キャリアパス(企業内での昇進・出世を可能とする職務経歴)を聞くのも有効です。


新卒採用では…「優秀だと言われる若手社員の特徴は?」

――転職ではなく、新卒の就活の採用面接で「何か質問はありますか?」と聞かれたときにはどんな質問をすればよい?

「優秀だと言われる若手社員の特徴は?」「仕事の進め方、風土などで御社らしいなと思うことは?」などはよいかと思います。


――このような質問をすすめる理由は?

その企業の組織風土、求める人材が分かるのと、成長しようとしている姿勢を示せるからです。

批判が目的の質問はNG

――転職(中途採用)、新卒採用において、それぞれNG(言ってはいけない)の質問はありますか?

その企業を批判することを目的化したようなものはNGです。

ただし、「失礼ですが、○○ということが報じられていますが、その後、社内ではどのような対応を行っていますか?」「この報道に疑問を思ったのですが、実際はどうですか?」などはOKです。

就活生や転職希望者を悩ませる、いわゆる「逆質問」。
専門家によると、“最強の質問”は状況によって異なるため一概には言えないが、“自分が活躍できるかどうかを確認できる質問”をすればよいのだという。