不気味な風切り音の向こうに浮かび上がった内部がむき出しになった夜のドーム球場。
ここは、メジャーリーグ、タンパベイ・レイズの本拠地トロピカーナフィールド。
屋根が飛ばされ、半分以上がぱっくりと開いた状態に。
残骸が照明に照らされ、無残な姿ではためいています。
バイデン大統領が100年で最悪の規模のおそれと避難を呼びかけたハリケーン「ミルトン」が、アメリカ・フロリダ州西部に上陸。
上陸後に勢力は弱まったものの、各地で被害が拡大しています。
更に、ハリケーンが上陸する前の映像を見ると、フロリダ州各地では巨大な竜巻が複数発生しているのが確認できます。
ハリケーンが襲来する前に住宅が破壊されるなど、大きな被害が出ています。
男性は、住宅の屋根や窓ガラスがあっという間に吹き飛ばされたといいます。
竜巻の被害者:
“竜巻警報”“竜巻警報”とずっと鳴り続けていました。全てが一瞬でした。私のすぐそばで、突然、窓が吹き飛んだんです。2匹の犬と一緒にベッドの下に逃げ込みました。(竜巻が通り過ぎたのは)1分くらいか、もっと短い時間のように感じました。
ニューヨーク・タイムズによりますと、このハリケーンの影響でフロリダ州内で竜巻は24以上確認されています。
ハリケーン本体については、タンパ湾地域に鉄砲水に関する緊急警報が発令され、セントピーターズバークでは422mmの雨を記録。
激しい雨や強い風、道には物が散乱し、電柱も斜めになっています。
人のいないプールではヤシの木が揺れ、雨がカメラのレンズに打ち付けています。
大量の雨水で浸水しているプールの様子がカメラに捉えられていました。
大きな被害をもたらしているハリケーン「ミルトン」。
現在は最大風速29メートルに低下。
カテゴリー1に勢力を落とし、フロリダ半島を東北東に進んでいます。
フロリダ州内には非常事態宣言が出されたほか、現在200万戸が停電。
約720万人に避難命令が出ており、9月のハリケーン「ヘリーン」で大規模な洪水や土砂崩れが相次いだ地域では、再び大きな被害が出る懸念も高まっています。
バイデン大統領は、ハリケーン上陸前に強く注意を呼びかけました。
バイデン大統領:
今後24時間はすべての安全指示に従うことを強く勧めます。文字通り、生死に関わる問題なのです。
アメリカ南部は2週間前にカテゴリー4のハリケーン「ヘリーン」により、230人以上が死亡するなど甚大な被害が出たばかり。
更に沿岸部の広い範囲では、最大4メートルの高潮が発生するおそれがあり、当局は警戒を強めています。