マネー研究所。お金をキッカケに広島の暮らしやビジネスに関わるニュースをお伝えしていきます。今回のテーマは「空前のリフォームブーム」
今、全国的にリフォームが大きなブームになっています。
国土交通省の調査によると、昨年度のリフォームの受注高の合計は、全国で13兆円を超え、対前年比で、14.9ポイントも増加しているんです。
きょうは、リフォームビジネスの最前線に迫ります。
こちらは、廿日市市にある住宅展示場です。
築43年の民家をリノベーションしました。
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「北側にダイニングがあって、例えばそこに4人掛けのテーブルがあってご飯食べたあと奥さんが北側に向かって洗い物を1人でする。みんなはこちらのリビングに来て一緒にカープを見る。奥さんは洗い物しながら「私も見たい」という。そういう間取りだったのです」
それが、リフォームされてこんな感じになりました。
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「どこにいても家族が存在感を感じるような、視線が合うような設計をして、みんなが存在を感じられるようにつながっているようにしたい」
平面だけではなく、空間を上手に使うことがコスト削減にもつながります。
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「『ものがたくさんあって収まらない』『狭いので増築したい』というお客がいますが、増築はコストがかかるのでその前に(今ある)空間の中だけで高さも含めて広がりを感じるような設計がポイントだと思う」
ファミリースペースの需要がある中で、コロナ禍を経て、最近では、全く逆のニーズも生まれました。
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「娘さんが学校の授業を受けている。こちらでご主人が仕事をしている。奥さんも仕事をしている。となると声や音で1部屋ではなかなかできない。それを区切られたスペースに作っています」
コロナ禍以降、リモート業務など、家族の在宅時間の増加に伴い、ファミリースペースとプライベートスペースを分けるというのが現代の流行なのだそうです。
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「こちらで子供が勉強するとか在宅で仕事をすることもできるし、こちらでも例えば奥さんがちょっとしたパソコンで仕事をしようとか」
さらに寝室の奥には、書斎にもなる小部屋が作られています。
じつは、ここから、今、人気のあるものにつながっているんです。
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「ここを開けたら玄関につながる。最近人気なのが『玄関土間』。家族の靴を収納しながら荷物をそのまま持ってあげられる。ここにゴルフクラブやベビーカーを持ってきたりとか」
前田社長によると、リノベーションやリフォームは、その時代を反映するんだそうです。
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「以前はカウンターを付けたりシャンプーを置く台などたくさんあったのですが、結構今はシンプルなんです。なぜかというとカビが付いたりするのが嫌で掃除を簡単にしたい。簡単に掃除ができることが今最も優先される。あとはSNSなどでインスタ映えするような感じで、パッと見た目におしゃれな感じ」
さらに、現代のリフォームでは、ここが、重要です。
(マエダハウジング・前田政登己社長)
「性能向上リノベーションと言いまして、具体的には一戸建ての耐震性能、断熱性能を上げていく。秒家族が比較的多くいる時間の所の耐震性能を上げていく。あと今1番言われているのが断熱性能を上げる。エアコン1台で冷房も暖房もまかなえる」
こちらは、先週行われたリフォームの展示会。
ユーザーからのニーズに応える秘密兵器が、こちらなんです。
まずは、リフォームの際に使われる断熱材です。
このような断熱材が、屋根、床、壁にびっしり使われるわけです。
35年前に使われた断熱材と比べるとその量の違いが分かります。
さらに、大きなポイントは、作業のDX化です。
これは床下を調査するロボットなんです。
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「ロボットを入れて実は今リモコンで動かしています。人でやっていたころは1時間くらいかかっていたのですが、ロボットでやると30分くらいでできる。カメラを見ながらリビングでみんなで映像を見ながら操作できますので、お客と一緒に見ながらできます」
さらに、作業のDX化は、こんなところにも及んでいます。
(マエダハウジング・前田政登己社長)
「あとは360度カメラといって現場にカメラを設置して、工事中を撮って、もともとは現場監督や担当者が見ていたが、お客も一緒に見てもらって『今の状況はこうなっています』『きょうはここまで進みました』そういうものが一緒に見られるようになりました」
作業のDX化は消費者の財布にも、プラスの効果をもたらします。
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「床下1時間調査していたものをロボットの値段がまだ高いですが、それでも30分で(作業時間が)収まるとか怪我の可能性はほとんどないし、結果的にはお客にコストという形で反映していくと思う」
物価の上昇に伴い、新築住宅が高騰する現代。
リフォームは庶民の大きな力になるのでしょうか?
(マエダハウジング・前田政登己 社長)
「資材や原価が高騰していますので、あとはついに住宅ローン金利が上がってきた。そうなると新築物件を購入することはしんどくなっているのは正直なところです。もしリフォームでできることであればリフォームをお勧めする。総額ではやはりリフォームの方が割安というのは結構ある」