――人間が感染したら治療法はあるの?
バルトネラ・ヘンセレによるものと分かれば治療はできます。完治までの期間はケースバイケースですが、一般的な症状であれば免疫機能が働くので、6~12週間で自然に治ります。症状が重くなった場合は、抗生物質を中心とした治療が行われますが、治療に難渋し、完治に時間を要する場合があります。
猫は感染しても無症状が多い
治療はできるというので一安心だが、猫も守りたいところだ。飼い主はなにができるのか。続いて「VETICAL動物病院」(東京)の代表獣医師・佐藤貴紀さんにも聞いた。
――バルトネラ・ヘンセレはどれくらいの猫が持っている?
いくつかの報告から総合的な統計として、猫全体の10~15%と言われます。ノミは暖かい環境で繁殖しやすいので、西日本にいる猫の保菌率はより高いと考えられます。また、屋外で暮らす猫の方が保菌率は高いと思われます。
――猫は感染するとどうなるの?
猫がバルトネラ・ヘンセレに感染すると、自然治癒はしませんが、基本的に無症状なので影響はありません。ただ、次の症状が見られることもあるので、感染を疑われたら動物病院の受診をお勧めします。
・発熱(体温が直腸の温度で、39℃後半になっている。体を触っても熱く感じる)
・リンパ節の腫れ(首の周りや腋窩など)
・体調不良(食欲がない、元気がない)
またこうした症状は、他の感染症に感染していても見られることがあります。
――猫にはいつごろ感染するの?
1歳未満の子猫は感染しやすいと言われます。これはノミが付く可能性が高く、免疫力が備わってないこともあるからです。猫の種類や性別で、感染しやすさに違いはありません。