千葉・船橋市のハンバーグ店で人気の「飲めるハンバーグ」を食べた人たちの間で、腸管出血性大腸菌「O157」が原因の食中毒が発生し、発症者は34人にのぼっている。
加熱が不十分だったため、食中毒が起きたとみられる今回のケース。
ハンバーグを調理する際に気をつけるポイントを専門店で聞いた。
客が鉄板で焼き加減を調整…中心部分は真っ赤
千葉・船橋市の「将泰庵DINER」の人気メニュー、A5ランクの黒毛和牛を使った「飲めるハンバーグ」を8月24日から28日にかけて食べた人たちが、下痢や腹痛などの症状を訴えた。
この記事の画像(24枚)船橋市保健所は、調査により腸管出血性大腸菌「O157」が原因の食中毒と断定。
発症者は、これまでに34人にのぼっている。
保健所によると、入荷した時点で肉が汚染されていた可能性があるとしていて、調査中だという。
客が鉄板で焼き加減を調整できる「飲めるハンバーグ」。
実際に食べた人が撮影した映像をよく見ると、中心部分はまだ真っ赤な状態だ。
5月に「飲めるハンバーグ」を実際に食べた人に、どのような食べ方だったかを聞くと、「鉄板で焼いてから食べるように言われていて、そういうシステム。よく焼いて赤身をなくして食べるというふうに」と話す。
O157は75度で1分以上加熱し中まで火を通せば死滅
O157は75度で1分以上加熱し、中まで火を通すことで死滅するが、今回は加熱が不十分だったため食中毒が起きたという。
では、ハンバーグを調理する際に気をつけるポイントは?
「イット!」取材班は、ランチでにぎわう東京都内のレストランへ向かった。
ハンバーグレストランまつもと・芦澤冬樹料理長:
この時期だと調理場も暑いので、できるだけ菌を増やさないように。
こちらの店では、まずフライパンで約4分間、表面にしっかり焼き目をつけ、オーブンで約12分加熱し、中までしっかり火を通したうえで客に提供しているという。
「最低でも赤い色がなくなるまで焼いた方がいい」
芦澤冬樹料理長によると、「最低でも赤い色がなくなるくらいまでは焼いた方がいい」という。
さらに家庭では「(フライパンに)ふたをして蒸す感じにしてというのなら、家庭でもできると思うんですけども、オーブンがあるところは、使った方が確実に火が入る」と話す。
専門家によると、まだ暑い日が続く今の時期、調理には特に注意が必要だとしている。
食環境衛生研究所・小林幸嗣さん:
基本的に何らかの食中毒菌はいるものとして、加熱とか丁寧に取り扱うというのが大切。
事故起きた店舗は9日から営業再開
食中毒が起きた将泰庵DINERは、食材の温度管理や衛生管理の徹底などの再発防止策を行ったうえで、9月9日から営業を再開している。
13日のランチで「飲めるハンバーグ」を食べた人は、「思ったよりは『飲める』という印象ではなかった。だから逆によく火を通していたのかも」と話していた。
(「イット!」9月13日放送より)