日銀の田村直樹審議委員は12日、岡山市で開催された金融政策懇談会に出席し、日銀の掲げる物価安定目標について「オントラックで進んでおり、目標が実現する確度は、引き続き高まってきている」と述べた。
また、政策的に引き締めでも緩和でもない中立的な金利について「最低でも1%程度だろうとみている」としたうえで、「2026年度までの見通し期間の後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価安定の目標を持続的・安定的に達成するうえで必要だ」とし、さらなる利上げの必要性を強調した。
田村氏は、中立金利について「最低でも1%程度」と言及したことについて、懇談会後の記者会見で、「1%と決め打ちしたわけではない。仮置きの数字だ」と強調したうえで、年内も含めた今後の追加利上げについて「具体的な時期は今後の経済・物価・金融情勢次第だ。情勢をみながら判断していくものだ」と述べるにとどめた。
また報道陣から、自身の発言が、植田総裁ら他の日銀メンバーと比較して利上げに前向きではと指摘されると、「私も利上げをしたくて上げるのではなく、物価を安定させたいから(発言している)」と説明した。