新潟県警は9月12日、8月に新潟市西区のリサイクルショップで別の男と共謀し、衣類3点(ジャージ上下、Tシャツ)を盗んだ疑いで逮捕した当時19歳の男性について、誤認逮捕だったと発表した。逮捕後も一貫して容疑を否認していた男性は約3時間身柄が拘束されたという。誤認逮捕した原因について、県警は「先入観」と「証拠資料の精査の不徹底」を挙げた。
窃盗事件で当時19歳の男性を誤認逮捕
長岡市に住む市当時19歳の男性は、2024年5月31日夜、新潟市西区にあるリサイクルショップでジャージの上下など、衣類3点(ジャージ上下、Tシャツ販売価格13万9960円)を別の男と共謀して盗んだ疑いで8月30日に逮捕された。
この記事の画像(3枚)県警によると、男性は逮捕された日に釈放されたが、3時間4分身柄が拘束されたという。
誤認逮捕のきっかけとなった事件は5月31日に起きた。
防犯カメラに映っていた犯行現場
新潟市西区にあるリサイクルショップで2人の男によってジャージの上下など、衣類3点(販売価格13万9960円)が盗まれ、被害に気付いた被害店舗の従業員から警察に通報があり、捜査が続けられていた。
事件発生から約2カ月後、被害店舗とは別のリサイクルショップで被害品の一部(ジャージ上下)が男性によって売却された情報を警察が入手。
警察は被害店舗にある防犯カメラ映像に映っていた2人のうち、身体的特徴から衣類を盗んだのは売却者である男性だと判断して逮捕した。男性は逮捕時から一貫して「事件現場には行っていない」と発言をし、容疑を否認していたという。
その後、男性の事件発生当日の行動を捜査していく中で疑義が生じ、逮捕した日の午後10時39分に男性を釈放した。
その後の捜査で、三条市に住む会社員の男(17)を窃盗の疑いで逮捕。男性が「衣類を会社員の男から買い取った」と話したことなどから男の犯行が明らかになったという。警察の調べに対し、男は「私が一人でしたことに間違いありません」と容疑を認めている。
警察は防犯カメラに映っていたもう一人の男について、現在任意での捜査を進めている。
誤認逮捕の原因は「被疑者であるという先入観」
警察は誤認逮捕した原因について、「窃盗品の売却者である男性について被疑者であるという先入観をもって捜査を進めたこと」や「防犯カメラ映像等の証拠資料の精査の不徹底」を挙げている。
新潟西警察署の幹部は9月10日に誤認逮捕した男性と家族に謝罪した。
新潟県警の白井秀夫刑事総務課長は「逮捕をされた男性とそのご家族には心よりお詫び申し上げます。今回の捜査についてしっかり確認を行い、職員に対する指導教養を徹底し、適正捜査及び再発防止に努めてまいります」とコメントしている。
(NST新潟総合テレビ)