自民党総裁選挙への立候補を表明している石破元幹事長は8日、東京・葛飾区で記者団の取材の応じ、健康保険証のマイナンバーカードへの一本化を巡り、2024年12月の廃止時に不利益を被る国民が一定数いた場合には、現行の紙の保険証と当面併用することも「選択肢として当然」だとの考えを示した。
マイナンバーカードを健康保険証として使用するいわゆる「マイナ保険証」への移行を巡っては、2024年12月に紙の保険証の新規発行が廃止される予定となっている。
総裁選に立候補を表明している林官房長官は7日に、国民からの不安の声を踏まえ、現行の保険証の廃止延期を含め検討したいとの意向を示し、河野デジタル相は8日、「真意を確認したい」と林氏をけん制した上で、廃止延期を否定している。
この問題について石破氏は、「紙の保険証がなくなることによって、非常に不利益を感じる人たちがなくなるということが第一」だとした上で、「そういう方々がなくなるように政府として全力を尽くしていかねばならないが、期限が来ても困っている人が大勢いるという状況が仮にあったとすれば、併用ということも考えるというのは選択肢として当然だ」と述べた。
また、紙の保険証の廃止時期について「見直す可能性はある」とし、「医療保険に関することなので、不利益を被る人がないように努めるのが政府の仕事だ」と強調した。