プライムこうちが2年半ほど前に紹介した男の子。小学6年生で親元を離れ、クラシックバレエに打ち込むために高知に移住した福間悠陽さん。世界で活躍することを夢見ていた彼は今、中学3年生。9月、大きなチャレンジを控えている。

小学6年生で高知に“バレエ移住”

ダイナミックなジャンプに、安定した回転技を披露するのは、高知市の一宮中学校3年生・福間悠陽さん。

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頭身バランスの良さや機敏な動きなどダンサーとしての素質を見いだされ、小学4年生になる直前に空手からバレエに転向。当初、埼玉でバレエ教師でもある母に習っていた。しかし、より集中して練習に励もうと母が信頼を置く上岡真佐子さんのスタジオに通うため、小学6年生で祖母がいる高知にバレエ移住した。

前回取材した6年生の時は身長は145cmだったが、今は164cmに。以前の自分を見て、「身長が小さいのもあるけど、なんかちょっとひょろっとしている感じ」と話す悠陽さん。声も低くなり、10月の発表会では女の子と組むなど、踊りの幅を広げている。

悠陽くんは「人に見てもらうことが好きな子」

高知に移住してきた悠陽さんの上達の速さは、周囲も目を見張るほどだったという。

小学5年生からは数々のコンクールで優秀な成績を収め、2023年秋には国際的な大会の日本予選で1位となり、奨学金を獲得。名門・イギリスのロイヤルバレエスクールに短期留学した。

一緒に練習するスタジオの生徒たちは、「毎日すごい成長していて(一緒のスタジオにいるのが)自慢。めっちゃうれしい」「いろいろ優しく教えてくれたり練習も朝からいたりとか見習わないといけないところがいっぱい」と嬉しそうに話した。

彼を指導する上岡さんは、悠陽さんの性格や成長の度合いを見ながらの指導を心がけているという。

上岡真佐子さん:
人に見てもらうことが好きな子なので、コンクールも数が多ければいいというわけじゃないが、目標が短いスパンであった方が彼には合っているかなと。人に見てもらう場でその緊張感で上達するというのもあるので。

ただ、一方でコンクールで認められたり褒められたりする機会が多いことから「普段の練習とかではもう『謙虚な気持ちでコツコツと』っていうのが(先生の言葉で)一番印象に残っています」と話した。

そんな悠陽さん、8月に全国予選を勝ち抜いたダンサーが集まる権威ある大会「全日本バレエコンクール」で1位に輝いた。

福間悠陽さん​:
この全日本で1位を取れたことはすごい自信になりました。

スイス本選へ 目指すは“プロ”

9月、彼には大きなチャレンジが待っている。
若手ダンサーの登竜門である、スイスで年に1度行われる「ローザンヌ国際バレエコンクール」への出場だ。

実は6月に提出したビデオ審査を通過し、9月末にマカオで行われるアジア予選への出場が決まっている。

福間悠陽さん​:
これは本当にもう僕がバレエを始めたころからすごい憧れで出てみたいと思っていたコンクールで、なんとかして出られたらなと思っています。

本番まで踊りにさらに磨きをかける
本番まで踊りにさらに磨きをかける

この予選にはアジア太平洋の国や地域から48人がエントリーしていて、選ばれたわずか4人が2025年2月のスイスの本選に招待される。本番まで残りわずかとなる中、踊りにさらに磨きをかけている。

悠陽さんは「本当にもう、お客さんがもう1回見たいっていう踊りができるように頑張っていきたい」「プロ目指して頑張ります」と意気込んだ。

夢の舞台まであと一歩。中学3年生の大きな挑戦に注目だ。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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