先月国が公表した富山湾の海の中にあるという海域活断層、県が今後2年間をかけて調査しますが、その地震や津波の新たなリスクを私たちはどう捉えるべきか、専門家に聞きました。

県内が観測史上最大、震度5強の揺れに見舞われた能登半島地震。
国の地震調査委員会は、能登半島沖の活断層が連動しマグニチュード7.6の大地震を引き起こしたと見ています。

その地震調査委員会が先月、予定を1年間前倒しして公表したのが日本海側にある25の海域活断層です。

海域活断層とは、海底にある活断層のこと。
富山湾には能登半島地震を超える規模の地震を引き起こすおそれのある海域活断層がいくつも存在することが指摘されました。

例えば、上越沖断層帯はマグニチュード7.8から8.1程度、七尾湾東方断層帯はマグニチュード7.6程度の地震規模が想定されるといいます。

*神戸大学(県防災会議地震対策部会長) 室崎益輝名誉教授
「とんでもないことが起きたとしても、準備していたら命や暮らしを守れるという見通しをもってもらい、(命や暮らしを守ることができる)前提として、最悪のケースを想定してもらえればありがたい」

海域活断層の公表を受け、先週、県の防災会議が開いた会合。
審議されたのは県が新たに実施する地震被害想定調査です。

県はこれまで呉羽山断層帯など6つの陸域の地震被害を想定した調査を行ってきましたが、今回新たに12の活断層を調査することにしたのです。

調査項目は能登半島地震を教訓に宅地の液状化による被害やライフラインへの被害などを追加し、従来調査の13項目から43項目に大幅に増やしました。

県は、今後2年間をかけて調査を進める方針で陸域の活断層との連動地震も想定した津波シミュレーションを含め、9月補正予算案に1億2000万円あまりの調査費を盛り込みます。

能登半島地震の発生から新たな活断層の公表、そして県が着手する被害想定調査。
一連の経過について災害地質学が専門の富山大学・立石良准教授に聞きました。

*富山大学 立石良准教授
「海域の話なので、津波を見直したり、海域活断層による地震被害を考え直さないといけない。これまでの評価をもう一度見直さないといけないのは富山県にとってはやらないといけないことだと思う」

県が新たに調べる海域活断層の被害想定、その結果は地域防災計画やハザードマップの見直しに反映されます。

富山湾の海域活断層という新たなリスク。
私たちは、どう捉えるべきなのでしょうか。

*富山大学 立石良准教授
「陸域の活断層はハザードマップなどに載っているのでいろいろなところで接する機会があると思うが、能登半島地震を起こした海域活断層は、富山湾内にもあるということ。ここに新しく評価結果として出されたものはマグニチュード7以上の地震を起こすもの、大きな地震を起こすということで、富山湾にあることを認識する必要がある」

富山テレビ
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