建設費の大幅な上振れや工事の入札の不調で、整備の再検討が進められている高岡テクノドーム。
富山県は、本館と新たに設ける別館の機能に関する調査報告書を公表し、本館の機能強化の程度に応じた3つの整備の方向性が示されました。
調査は、高岡テクノドームの本館の機能や、新たに整備する別館のあり方を検討するため民間に委託し、今年2月からおよそ半年かけて実施されました。
調査の結果、新設する別館について、当初の計画から屋根などの構造を簡素化したり、特殊な音響設備は導入しないとした上で、本館の機能強化の程度に応じた3つのケースが示されました。
ひとつめは、本館に省エネ対応や残響音の軽減を行うなどの機能強化を行うケースで、この場合、本館で大音量を除く音楽イベントなどへの対応が可能となる一方、別館は、床面積をおよそ10%削減することになり、ホールの席数は1040席に限られます。
次に、本館の機能強化を残響音の軽減など最小限にとどめ、別館の床面積を維持するケース。
別館のホール席数は1200席に増えますが、可動式の客席はありません。
最後に、本館の機能を強化せず、別館の床面積を維持するケース。
この場合、席数は1200席を確保し、このうち可動式の客席を440席導入できます。
工事費は、いずれもおよそ46億円で、整備に要する期間は、新たに基本設計者を公募で選ぶ場合、4年から4年半かかるとしています。
県は、報告書をもとに、県議会や県西部6市、経済団体などの意見を聞いて整備の方向性を決めたいとしています。
高岡テクノドーム別館の整備を巡っては、県が今年度中の利用開始を目指し高岡市二塚に整備する計画でしたが、資材価格の高騰で建設費が当初の26億5000万円からおよそ20億円上ぶれ。
さらに、工事の入札が不調に終わったことから新田知事が「設計を含めて一度立ち止まって検討する」と述べていました。