2016年に台風で岩手県内に甚大な被害が発生してから8月30日で8年です。
岩泉町の高齢者施設の跡地では犠牲になった入所者へ鎮魂の祈りが捧げられました。
岩泉町の高齢者グループホーム「楽ん楽ん」の跡地では、30日朝、祭壇が設置され、施設を運営していた緑川会の職員が犠牲になった人へ手を合わせていました。
「楽ん楽ん」では当時、近くを流れる小本川が氾濫し入所者9人全員が死亡しました。
緑川会 佐藤弘明常務理事
「本当に申し訳ないという気持ちで手を合わせた。判断ミスで9人の尊い命を亡くすことになった。やはり避難これが一番と思っている」
県内では8年前の台風10号で28人が亡くなり、1人が行方不明となりました。
県が被災後から取り組んでいる小本川の河川改修事業は、2024年3月末時点で9割完了していて2025年春までに完了する見込みです。
こうした復旧・復興が2024年度ほぼ完了することから、岩泉町では8月30日を2024年から3年間「災害支援感謝の日」と定めました。
この日に合わせ観光地の龍泉洞では、観覧料無料で観光客を迎え台風災害と支援を忘れないよう記念品が配られました。
龍泉洞は、8月12日に県内を通過した台風5号の影響でも2週間ほど閉鎖を余儀なくされました。
再開から6日目を迎えた30日も県内外から多くの人が訪れていました。
青森から訪れた人
「久しぶりに来たら無料だし楽しかった、歩いていて。安心した、入れたから」
龍泉洞事務所 菊地隆二所長
「災害を乗り越えて龍泉洞はいつも経営しているというところがあるので、お客様に楽しんでいただきたい」
敷地内の無料休憩所では8年前の被害状況を捉えた写真展も開催されています。
冠水した道路や避難所の様子など当時の写真が並び、災害の恐ろしさと防災の大切さを今に伝えています。