旅行や帰省シーズンのお盆期間中に、高速道路での“逆走事故”が相次ぎました。
8月16日午後8時15分ごろ、栃木県内の東北自動車道の上り岩舟ジャンクション付近。「めざまし8」が独自入手したドライブレコーダー映像には、猛スピードで逆走する車が映っていました。
この記事の画像(15枚)運転者「あ、逆走してる!」
追い越し車線を走行する前方の車が、突然、ブレーキランプを点灯させ左に車線変更した次の瞬間、駆け抜けていった逆走車。
撮影者:
「逆走車あり」って表示が出ていて、「逆走車ありってなっているね」みたいに言っていたら、(前の車が)いきなり急ブレーキ踏んでいて。「なんだろう」って言っていたら逆走車が来た感じでした。
本当びっくりして、私は助手席だったので、ぶつからないかどうかだけが気になって。その直後に、どこに通報してもいいかも分からないくらいパニックになってしまいました。
逆走した車は、この後バイクに衝突。バイクを運転していた男性は足を骨折するなど重傷を負い、事故を起こした車は現場から走り去りました。
逆走車を運転していたのは81歳の男性。
めざまし8はこの男性の家族を取材、運転に関しては「これまで不安な部分はなかった」といいます。
逆走車を運転していた男性の家族:
けがをされた方に本当に申し訳なく思っています。だいだい毎日、車に乗っていました。これまでに事故を起こしたことはありません。
しかし、一方で“気になること”があったといいます。
逆走車を運転していた男性の家族:
免許更新は一応できましたが、認知機能検査の結果で“気を付けて”という話がありました。免許返納は今まで話したことはありませんでした。
事故を起こした東北道は普段使わない道で、「気が動転して逃げてしまったのでは…」と言う家族。今後については、免許は返納になるのではないかと話しています。
撮影者:
私たちもちょっと人ごとのように「(逆走車)どこなんだろうね」、みたいな話をしていて、実際に起きるなんて、ちょっと想像もしてなくて。
お互いに多分100km/hぐらいは出ていると思うので、もう死んじゃうんだろうなっていう感覚しかなくって、本当に恐怖でしかなかったです。
警察は、81歳の男性から当時の状況について詳しく話しを聞いています。
北海道でも逆走「分からない」
東北自動車道で逆走があった同じ日、北海道の札樽自動車道でも逆走車が目撃されていました。
北海道小樽市の高速道路を走行中、追い越し車線を逆走する白い車の姿が。
慌てる様子もなく、真っすぐ走り去ります。
この後、通報を受けた警察が逆走車を停止させたため、事故はなくけが人はいませんでした。
撮影者:
本当にこれ現実なのかなという感覚にはちょっと陥りましたね。すれ違ってから初めて「あ、今のは逆走だったな」って気がついたというか。認識して、「警察に電話しなきゃ」っていうところで。軽くパニックでしたね。
軽乗用車を運転していた高齢の男性は、逆走の理由について、「分からない」などと話しているということです。
高速道路で気をつける点とは?
お盆休みに相次いだ高速道路での逆走事故。なぜ逆走をしてしまうのか?専門家によると、高速道路には、知っておくべき“逆走”注意ポイントがあるといいます。
交通事故鑑定人 中島博史氏:
一般的なところでいいますと、高速道路の入り口等で、本来曲がってはいけない側に曲がったりすると、逆侵入になってしまって逆走するパターンがあります。
さらに、一般論ではありますが、認知症の方に限らず、人間の認知能力というのは、注意がそれていたり、何が心配事があったり焦ったりしていると、本来必要で見なくてはならない標識等を見落としてしまって、逆走になることがあります。
――どのようなところに注意すべきなのでしょうか?
交通事故鑑定人 中島博史氏:
基本的には、標識ですとか道路上の表示ですとか、そういうものに従っていれば、間違わないように誘導されています。ただ、自分がどちらの方向に行かなくちゃいけないか、あるいは、とにかく急いでいるのでこっちに行かなくちゃということで、頭がいっぱいになってしまっていると、高速道路上で守らなくてはいけないルールが、注意から抜けてしまって、そちらに向かうためにはということで、無理な操作をしてしまう可能性があります。
(めざまし8 8月19日放送)