中国 では、交通取り締まりの際に、しばしば信じられないことが発覚し、怒りの声やあきれる声が相次ぐ。最近も 運 転免許証を巡り様々なドラマが話題になった。
 

男が 見せた免許証は”手書き” 

3 月に広西チワン族自治区柳州市で検問をしていた警察官が1台のバイクを止め、運転していた男に運転免許証の確認を求めた。が、その免許証を見た警官は言葉を失った。確かに写真は貼られていたが、それ以外は全て手書きだったのだ。名前や住所、ナンバーなどが、決して達筆とは言えない字で書かれていた。男は「もともと免許は持っていない」と話し、自分で作ったことを認めた。手書きした理由には「免許を取るのに時間がかかるから面倒」。男は罰金300元(約5100円)と15日以下の拘留の処分を受けた。警察官は「20年、警察官をやっていて初めて見た」と、驚きを隠せなかったという。

「免許証取得に時間がかかるので手書きした」警察官もあ然(ウエイボより)
「免許証取得に時間がかかるので手書きした」警察官もあ然(ウエイボより)
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「双子だからいいだろう」1枚の免許証を兄弟でシェア

黒竜江省佳木斯の高速道路で警察官が1台の車を止め、運転手の男に免許証の確認を求めた。しかし、警察官は、男が免許証の写真と違うことに気づいた。問い詰めると、男は、免許証は双子の弟のものだと“自白”した。

警察が調べたところ、この双子の兄弟は、顔がそっくりなことを利用して、20年にわたり、 兄の免許証を2人でシェアしていた。しかし、男は飲酒運転で免許を取り消されたため、今度は弟の免許証をシェアしてきたが、バレなかったという。ちなみに、警察官が別人だと見破ったのは、男の頭が写真の人物より禿げていたからだという。

男は警察に対し「もう20年も一緒に使っている。俺たちは双子だから許されるはずだ。」と開き直ったが、警察官に「君たちは、それぞれ別の生き物だ」と諭された。男は罰金2000元(約34000円)の処分を受けた。

「双子だから免許証を共有してもいいだろう」開き直る男(ウエイボより)
「双子だから免許証を共有してもいいだろう」開き直る男(ウエイボより)

3年かかって運転免許取得。その翌日に、、、。

湖南省株洲市で飲酒検問が行われ、1台の車が止められた。警察官は男の免許証の有効期限を見て驚いた。男は昨日、免許を取ったばかりだったのだ。実は、男は取得に3年かかっており、「免許証の写真をネットにアップして喜び、友達を誘って、免許取得を祝い酒を飲んで、飲酒運転をしました」と話した。

男は警察官から「テストでは、酒を飲んだら運転しちゃダメだと出なかったか?」と問い詰められ、“一発アウト“で罰金2000元(約34000円)と免許取り消し処分を受けた。

メディアは史上最短命の免許証と報じたが、実は”上には上“がいて、「午前に免許取得し当日夜に検問で摘発」、「夕方に免許取得し、夜に摘発」、さらには、「免許証受け取り前に飲酒運転」など枚挙にいとまがない。

運転免許証を受け取る前に飲酒運転して検挙(ウエイボより)
運転免許証を受け取る前に飲酒運転して検挙(ウエイボより)

悲惨な大事故につながる例もある中、地域によっては「飲酒運転で免許取り消しになった人の実名リスト」を公表し、 違反しないように呼びかけているが、効果が出ているかどうかは微妙だ。

【執筆:FNN上海支局  城戸隆宏 】 

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城戸隆宏
城戸隆宏

FNN上海支局長