台風7号は異例の強さで関東を直撃するおそれがあり、16日(金)は不要不急の外出を控えるなど台風に厳重警戒が必要だ。16日の行動予定は見直した方がリスクを回避できるかもしれない。

熱い海面で発達する台風

13日に日本の南海上で発生した台風7号は14日に小笠原諸島の西の海上を北上中だ。

この台風の特徴は、関東に接近するにつれて、弱まるのではなく、逆に勢力を強化している点だ。台風のエネルギー源は海からの水蒸気であるが、今年は海洋熱波が続いているため、関東の南海上でも海面水温が30度近くもある異常な状況。

このため関東に接近する直前まで台風は大量の水蒸気を海から吸収して発達し続ける。

予想進路図では台風が小笠原諸島付近にある時よりも、関東に接近する時の方が強いと予想しているのはこのためだ。

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関東に接近する16日午後3時には、中心気圧950ヘクトパスカル、最大瞬間風速60メートルの予想で、関東に接近する台風としては異例の強さである。波も11メートルが予想され、猛烈なしけとなる。

風速60メートルの風とは

瞬間風速60メートルが吹くと、走行中のトラックの横転、家が倒壊、鉄筋構造物の変形、電柱が倒れるなどが起きる。このため、どこから物が飛んでくるか分からない状況となる。風速60メートルは換算すると時速200キロ以上で、もしこのスピードで物が飛んでくれば小さい物であっても命にかかわるため、外出は危険な状況となる。

鉄道など交通機関への影響は、台風の暴風域に入るかが鍵。もし、暴風域に入る場合はその半日ぐらい前から運転見合わせの可能性が出てくる。このため、状況に応じて旅行プランの見直しもトラブル回避になる。

また、台風の進路にもよるが、関東地方を中心に大雨が予想されている。日本気象協会による17日午後3時までの積算降水量予想では、千葉県内で300ミリ以上、東京都内でも150ミリ以上となる所がある。

千葉県茂原市など近年、浸水被害があった場所では早めの避難も検討してほしい。河川の増水や氾濫の可能性もあるため、ハザードマップで自分の居る場所のリスクを確認しておくことも重要だ。

上陸か?房総半島沖通過か?

さて、台風はいつ関東を直撃するのか?14日15時現在の予想をまとめてみた。

気象庁の進路予想では、予報円の中心線は房総半島沖を16日午後から夜に通過する。ただ、予報円の西側を通った場合は、関東南部に上陸する。

気象庁のスーパーコンピューターもこの2通りを予想していて、房総半島沖を北上するシナリオと、関東南部に上陸するシナリオがある。

そして、神奈川、千葉、東京では午後から雨風が強まり、コンピューターの予想ではピークが夕方から夜の見込み。16日に予定がある方は、最新予想のチェックは欠かさないで頂きたい。

三井良浩
三井良浩

気象キャスター、プロデューサーを経て、2024年にフジテレビを定年退職。現在、フジテレビ気象センターでシニアエキスパート勤務。モットーは、災害から国民の生命と財産を守るための情報を届ける。気象予報士。