東京の「2大ブリッジ」と言われるレインボーブリッジと東京ゲートブリッジ。普段走ることができないこの名所を自転車で走るライドイベント「GRAND CYCLE TOKYO」。

3年目の今年は12月1日(日)に開催。参加人数を6000名に拡大したエントリーも7月19日(金)から始まっている。

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その「GRAND CYCLE TOKYO」のアンバサダーに就任した5名(稲村亜美、神田愛花、小島よしお、武井壮、団長安田 ※五十音順・敬称略)が、自転車でしか見えない景色に会いに行き、東京の魅力を再発見する。

今回の「とうきょう自転車さんぽ」はアスリート、そしてタレントの武井壮さん。

東京都葛飾区出身で、幼少期から自転車で都内を走り回っていたという彼が、オリンピックにまつわる隅田川の3本の橋梁を走る。スタートは勝鬨橋だ。

「勝鬨橋はデビュー前はホント、毎日のようにトレーニングで使っていたので、この傾斜をダッシュしたり、橋の下の遊歩道のところでトレーニングしたり、もうホント思い出の場所です」

1本目の勝鬨橋は、1940(昭和15)年に完成した歴史のある橋。なんと80年以上も前の話だ。

数々の映画やドラマ、小説などにも登場する、美しいデザインが特徴の下町のシンボル的存在でもある。

「1940年?ちょっとピンと来ないですもんね」

隅田川は、今も昔も水運の要所。そのため勝鬨橋は、1970(昭和45)年までは交通を止めて中央部を跳ね上げ、大型船を通過させていた「可動式の橋」でもあった。

オリンピックとの関わりは、そのルーツにある。万博とオリンピック、「ダブル開催」に向かって東京が湧いていた1940年に、勝鬨橋は完成した。

しかし戦争の影響で、どちらのイベントも幻に。

『この橋を世界の人々に見てほしい』
そんな当時の人々の思いもまた、幻になってしまった。

「だから幻のオリンピック。達成できなかったオリンピックに架かるはずの橋だったってことなんですね。そこで黙々とデビュー前にトレーニングしていた、僕との関連性もちょっとありそうですね」

かつて陸上の十種競技で日本チャンピオンになった武井さんにとって、オリンピックは決して別世界の話ではない。勝鬨橋が持つ歴史の重みと、自身との縁を感じながら自転車を漕いで渡り、そして次の橋へと向かう。

勝鬨橋のすぐ東には、月島の街が広がる。実に60店舗もの「もんじゃ焼き店」が軒を連ねる、“もんじゃの聖地”だ。

「もんじゃはいくら食べても飽きないんで。子どもの頃からずっと主食みたいにして」

「葛飾区の駄菓子屋さんの鉄板で、もんじゃを焼いて食べるところから少年時代がスタートしているので。月島もやっぱりもんじゃの街だから、よく食べに来ましたね」

葛飾出身の武井さんにとって、もんじゃはソウルフード同然だ。

続いてやってきたのは、勝鬨橋の上流にかかる佃大橋。1964(昭和39)年の東京オリンピックに向けて建設された橋だ。

「オリンピックのために造られたっていうのは、ちょっと知らなかったですね」

当時の東京ではオリンピックを迎え入れるため、様々なインフラ整備が進められていた。佃大橋も、その一つ。

武井さんもよく渡る橋だというが、その歴史を知って一層親近感を持ったようだ。

「いやあ、いい景色だなあ」

次に武井さんがハンドルを向けたのは、築地。

築地と言えば、やはり美食だ。

「築地、すごく賑わってるな。人いっぱいだ」

気温30度を超える暑さにも関わらず、築地場外は多くのインバウンド客で賑わう。武井さんは美味しい海鮮で評判の「味の浜藤」をのぞいてみた。

「あ〜すごく美味しそう。うわ〜うまそう。ワクワクしますよね、築地場外に来ると。いろんなものがあって」

武井:
こんにちは!何が美味しいかな?

店員:
一番人気はこの“もろこし揚げ”。

武井:
これ一番人気ですか。これどんな感じなんですか?とうもろこしを揚げているんですか?

店員:
魚のすり身の中にとうもろこしを入れて、周りをとうもろこしでコーティングした蒲鉾です。

武井:
あ〜イイっすね。じゃあこれ、もろこし揚げを一つ。あとなんか「これだけは食べとけ」ってやつあります?

店員:
まぐろのメンチカツ。

武井:
じゃあまぐろメンチカツを一ついただけますか?

お店の隣に設けられたイートインスペースで、早速いただいた。築地場外での食べ歩きはマナー違反とされているから、このような計らいは来訪客にとってとてもありがたい。

武井さんも買ったばかりの「もろこし揚げ」を頬張る。

「豪華!いただきます!(食べて)なるほど。ヤベェ、うめぇ。これうんめっ!すごく“もろこし率”が高くて、コロッコロなんですよ。噛んだ瞬間崩れ出してきて、口の中で。とうもろこしの香りと味がブワッて来る。だけどその中に蒲鉾のモチモチ感がちょっとあって、大満足ですね。これ1本食べたら、30kmは行けるんじゃない?」

「もろこし揚げ」1本で30km走れるとは…やはり発想がアスリートそのもの。続いて口にするのは「まぐろメンチカツ」。その名の通り、牛肉や豚肉ではなく、まぐろを使った手の平サイズの巨大メンチカツだ。

「まぐろメンチカツ。これ今3分の1だけ(包みから)出しているんです。あと3分の2がこっちに隠れていますから。ここが3分の2、ここまでありますから。特大メンチカツいただきます!(食べて)メンチカツです。高級な黒豚のメンチカツみたいな感じの食感ですけど、ほんのり最後の方に、ほんのりツナ感が。うわっ!ウマッ!これだけあればオレ横浜まで行けるな。ここからこれ1枚で」

お腹がいっぱいになれば、元気もいっぱい!

いよいよ3本目の橋、築地大橋へと自転車を走らせる。

築地大橋は2018(平成30)年に完成。東京2020大会で、選手村と各競技施設を結ぶルートとして活用された。

今回の3本の橋の中では最も急な勾配が、武井さんのアスリート魂を刺激する。

「これが開通した時は『え〜?どこへ繋がるんだろう?あ〜ここに繋がるんだ!』みたいな感じで、初めて渡った時はちょっと嬉しかったですけどね。いいねぇ、脚に来るねぇ。よっしゃ、上り切るぞ!」

コロナ禍の影響ため、試合のほとんどが無観客となり、当初期待されたほどの活躍は果たせなかったが、築地大橋は今も東京2020大会の興奮と感動を、静かに伝え続けている。

「よっしゃあ!築地大橋、渡り切ったぞ!」

「今日はオリンピックの橋を3本。歴史的な橋、幻になっちゃたオリンピックもあったし、実際に開催されたオリンピックの橋もあって、またいつかね、会場が満杯の観客で埋まった歓声の中で、選手たちが世界のトップを決めるっていう舞台を開催できるように、願いながら渡らせていただきましたね」

自動車を停めることができない築地大橋の上で、過去のオリンピックに思いを馳せる武井さん。

自転車だからこそ見える景色、自転車だからこそ感じる気持ちに会いに行く。

それが、とうきょう自転車さんぽ。

(取材協力:東京都江戸東京博物館)※2025年度中(予定)まで全館休館

「とうきょう自転車さんぽ」
フジテレビ(関東ローカル)
毎週火曜21時54分~

GRAND CYCLE TOKYO
レインボーライド・マルチスポーツ

12月1日(日)開催
9月16日(月・祝)までエントリー受付中
https://grand-cycle-tokyo.jp/

【アンバサダーからのメッセージはこちら!】
 

とうきょう自転車さんぽ
とうきょう自転車さんぽ

「坂、水、橋。自転車でしか見えない、東京の景色に会いに行く」。
皇居を取り囲むように水路で発展してきた街・東京は、電車や自動車移動ではなかなか気づかない、「坂と橋の街」でもある。自転車のスピードで街を巡れば、普段は気づくことのできない地理や歴史、風情などを感じることができる。この番組では、「GRAND CYCLE TOKYO 2024」のアンバサダーが都内を「自転車でさんぽ」し、風を感じながら楽しさをリポート。疾走感ある主観映像と、絵ハガキのような風景映像で東京の素晴らしさを伝えていくミニ番組です。