夫のDVから逃れるため実家に戻り、警察にも相談していた妻が追ってきた夫に殺害された。
この記事の画像(8枚)11月20日夜、高知市のホテルで逮捕されたのは名古屋市の自称派遣社員・土居巧容疑者(21)。別居中だった妻・綾乃さん(22)の首を絞めて殺害した疑いが持たれている。
土居巧容疑者は「別れ話がもつれ、首を絞めた」と供述している。
DVから逃れるため名古屋から高知に避難
事件の裏に見え隠れしているのは、土居容疑者からのDV=暴力だ。
夫婦は娘とともに、2019年5月上旬ごろから名古屋市で一緒に生活していた。
しかし、8月下旬、彩乃さんは土居容疑者の暴力などから逃れるため、夫には知らせず娘と高知市の実家へ。
妻と娘が突然居なくなったことから、土居容疑者は名古屋市内の警察署に相談。土井容疑者は「妻と娘が居なくなった。行方不明届を出せませんか?」と話していたという。
警察が彩乃さんに連絡したところ、綾乃さんからは「夫に居場所は絶対に知られたくない。無事だということだけ伝えてほしい」という返答が。
DVが疑われたため、警察が「妻らは無事でいるから大丈夫だ」という趣旨の話をしたところ、土居容疑者は「分かりました。行方不明届は出さなくていいです」と話し、帰っていったという。
警察にも相談していたのに...なぜ?
彩乃さんはその翌日、高知市の警察に夫の暴力を相談。防犯指導などを受けたという。
しかし、高知市まで追いかけてきた土居容疑者の犯行を止めることはできなかった。
高知県警は「警察としてでき得る対応をしていたが、結果的に殺人事件に発展し非常に残念」とコメントしている。
DV避難先として実家や知人宅は見つかりやすい
家庭問題カウンセラーの山脇由貴子さんによると、DVを受けた際の避難先に、実家や共通の知人宅を選ぶと見つかりやすく、相手が家まで追いかけてくるケースも多いという。
加藤綾子キャスター:
DVから身を守るためには、居場所が特定できないよう隔離して保護する施設、いわゆる「DVシェルター」などに逃げることが重要とのことですが、柳澤さんはどのような対応が必要だと思いますか?
ジャーナリスト・柳澤秀夫氏:
僕もそう思いますね。さまざまなケースを知っているのは、このような問題を専門に扱う人たちですから。警察がある程度対応は可能かもしれませんが、基本は民事不介入で限界があるとすれば、こういうケースをたくさん知っているところに相談するという情報をもっと広めるべきだと思います
フジテレビ 風間晋解説委員:
警察がシェルターのリストなどを提示するだけでも全然違うと思います。「どこに行きなさい」ということではなくて、「こういうのがありますよ」と示してあげることが大事ではないかと思います
加藤綾子キャスター:
DVシェルターという存在があることを知っていただいて、それからとにかく会わないようにするということですね。
(Live News it! 11月21日放送分より)