紙幣の担当部局はあの“理財局”!

20年ぶりに紙幣の“顔”が変わるー。9日は一日中、紙幣刷新の話題で持ちきりとなった。閣議後に麻生財務大臣が会見で正式に発表したが、会見場には紙幣のデザインが展示され、いつもの閣議後記者会見の雰囲気とは全く違うものとなった。 

紙幣の発行やデザインの決定は財務大臣の告示事項だが、行政側で担当しているのが財務省の理財局…。理財局…この言葉を聞いて「森友問題」「文書改ざん」、そして国会答弁をする佐川元理財局長の顔を思い浮かべる方も多いのではないだろうか?

財務省には、国の予算編成をつかさどる主計局、税制度の企画・立案などをする主税局など5つの局があり、理財局はその中のひとつ。職員数は約370人と省内の局では最多。財産の運用を意味する「理財」の言葉通り、国の資産である国有地や国債を管理している。森友問題で注目を浴びた国有地売却を行うだけでなく、他にも実はいろいろと意外に身近なことにも関係している。

財務省 組織図の一部 財務省ホームページより

その一つが貨幣の発行だ。
担当しているのが「理財局国庫課」にある「通貨室」という部署で職員数は15人。


紙幣発行の際に事務作業を行う部署で、最近では2020年東京オリンピック・パラリンピックの記念硬貨や天皇陛下御在位30年記念貨幣の発行があった。

“たばこ”と“塩”、そして“奨学金”も理財局!

理財局は、他にも「たばこ塩事業室」という部署があり、たばこの小売販売の許認可業務も担っている。「財務省」と「たばこ」…なかなかイメージが結びつかないかもしれないが、2018年12月、たばこの警告表示に関するニュースがあった。たばこのパッケージに印刷されている健康被害のリスクに関する警告表示に関して、包装全体の面積に占める表示の割合を現在の30%から50%に拡大する方針を理財局が示したというものだ。「たばこ塩事業室」というだけあって、塩の製造業の登録業務なども行っている。

そして、これもちょっと意外だが、理財局は「奨学金」の貸与にも関わっている。実際に奨学金を支給するのは日本学生支援機構だが、その財源はどこから来ているのかというと一部は理財局が行っている「財政投融資」という投融資活動だ。「財投債」という名前の国債を発行して調達した資金を日本学生支援機構に貸し出しているのだ。
紙幣発行から奨学金までー。実にさまざまな分野を扱っている理財局だが、世間のイメージは冒頭でも触れたように、「文書改ざん」といったマイナス面が強いかもしれない。国民の信頼を少なからず失ってしまったのも確かだが、信頼を取り戻す手段は、再発防止はもちろんのこと、担当する様々な業務を国民の利益となるように確実に誠実に行うことの積み重ねなのかもしれない。

執筆: フジテレビ 経済部 財務省担当 日比野 朗