元号が変わる度に起こる「あること」

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日本では、元号が変わる3年前に女性にとってかけがえのないことが2度起きているのです。それは女性のための法律が施行されたということ。

昭和が終わりを告げる3年前の昭和61年に、「男女雇用機会均等法」が施行されました。昭和の終わりは女性にこれまでの子供時代〜子育てー老後という3ステージとは違った女性の人生という可能性を見せてくれたのです。

平成に入り、さらなる変革を求める声が高まると同時に少子化やグローバル化、働き方の多様化を受け、令和元年の3年前、平成28年には「女性活躍推進法」が施行されました。

平成から令和にかけて、女性の人生の選択肢と自由はますます拡大されたのです。

令和は女性にとって「輝くか否か」勝負の時

各地で講演活動を行っている筆者 夫は会場の一番後列から写真をとって応援してくれる
各地で講演活動を行っている筆者 夫は会場の一番後列から写真をとって応援してくれる

ですが女性にとってはここが勝負どころ。選択肢と自由が増えるのはいいことなのですが、これからは女性が自ら自分らしい生き方を選び、生き抜いていかないといけないのですから。前例もロールモデルもいない大変な挑戦でもあります。 だからこそ令和は女性にとって勝負の時代なのです。

でもそれをするには女性だけが頑張っても無理。

私はアメリカに住んで20年以上になりますが、そんな姿を目の当たりにして来ました。移住当初のアメリカでは男性はまだまだ「仕方なく」女性を職場に受け入れ、女性は自分を証明することに必死でした。手伝ってくれない男性を尻目に自ら育児と家事と仕事に奔走し疲れ果て、子供に何かあれば仕事を休んだり辞めたりするのもいつだって女性でした。

それが今ではどうでしょう!
男性は掃除・洗濯など機械任せでできることは自ら学び、お料理だってする。できなければ迷わずテイクアウト。週末は子供をスポーツやお稽古に連れて行き、パパ友と待ち時間にお茶をして、子供が病気になれば奥さんの代わりに仕事を休み病院に連れて行く。

この変化の秘密は男性の王子様化です。

女性を支える王子様たち

娘と私をいつも必死で支える我が家の王子様:娘のバレエの練習に付き合う夫
娘と私をいつも必死で支える我が家の王子様:娘のバレエの練習に付き合う夫

皆さんはバレエをご覧になったことはありますか?白鳥の湖のジークフリート王子、眠れる森の美女のデジレ王子、ロミオとジュリエットのロミオ、舞台の上において、男性ダンサーの役割は一つ。それはオデットをオーロラ姫をそしてジュリエットを支えるということ。飛び込んでくる彼女達を軽々と持ち上げ、つま先で立つ時にグラグラ揺れる彼女達のバランスを支え、まさに体を張って女性を輝かせているのです。そしてその役割を全うする王子様達のなんとも頼もしいこと。

男性ダンサーが力強くサポートしてくれるからこそバレリーナは思いっきり踊ることができるのです。アメリカの男性たちは王子様のごとく「自分も協力しなければ!」という新しい自分の役割に目覚めました。共働きの親を見て育った男子の数が増えていることもあるでしょうし、疲れ切った妻や娘の姿を目の当たりにして「なんとかしなければ」と思ったこともあるでしょう。

女性が輝くためには女性にだけ戦わせるのではなく、男性も一緒に戦わないといけない。そして女性が輝くと自分たちの生活が家庭でも職場でももっと楽しくなる。それに気づいたからこそ家庭や職場で、男性は女性をサポートする役割をエンジョイしているのです。

令和時代、おじさん達には是非とも王子様になって欲しい

そこでおじさんの出番です。令和は日本中のおじさんに、是非とも王子様役を買って出ていただきたい。「自分なんかが、女性を輝かせるためにいったい何ができるのか?」あります!なぜなら日本のおじさんほど頼もしい人はいないからです。職場では部下に「さっさと家に帰りなさい」と言える権限を持ち、平均寿命は世界2位で長生きに加え体力もあり、他国のおじさんに比べればお腹の出っ張りも少なく健康。そして経済大国第3位をずっと支えてきた有能さも。

そんなおじさんにできないことはない!

いつも全力で女性二人を支える我が家の王子様
いつも全力で女性二人を支える我が家の王子様

是非とも自ら定時退社を実践し、家に帰ったら奥様に「何か手伝えることはある?」と聞いてみてほしい。掃除機の使い方なんて経済大国第3位の有能さをもってすればお茶の子さいさい。その健康さを持ってすれば草むしりもトイレ掃除も楽勝。妻を支えるロールモデルの姿を息子さんやお婿さんや部下に見せて欲しい。

おじさんたちにはものすごい王子様パワーが秘められています。それを発揮することで令和はおじさんが輝く時代となるのです。

【執筆:ボーク重子】
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ボーク重子
ボーク重子

Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。ICF(国際コーチング連盟)会員ライフコーチ。アートコンサルタント。
福島県生まれ。30歳目前に単独渡英し、美術系の大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学、現代美術史の修士号を取得する。1998年に渡米、結婚し娘を出産する。非認知能力育児に出会い、研究・調査・実践を重ね、自身の育児に活用。娘・スカイが18歳のときに「全米最優秀女子高生」に選ばれる。子育てと同時に自身のライフワークであるアート業界のキャリアも構築、2004年にはアジア現代アートギャラリーをオープン。2006年、アートを通じての社会貢献を評価され「ワシントンの美しい25人」に選ばれた。
現在は、「非認知能力育成のパイオニア」として知られ、140名のBYBS非認知能力育児コーチを抱えるコーチング会社の代表を務め、全米・日本各地で子育てや自分育てに関するコーチングを展開中。大人向けの非認知能力の講座が予約待ち6ヶ月となるなど、好評を博している。著書は『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など多数。