8月5日に起きた工場火災…“殺虫剤スプレー”の火遊びが原因か

愛知県一宮市の繊維加工工場で8月5日に起きた火災は、激しく炎が上がる大規模な火災だった。男子中学生2人の殺虫剤のスプレーを使った火遊びが、出火の原因とみられている。

一宮市光明寺の「オザワ繊工」で起きた火災。赤い炎は屋根を突き破り、周囲には黒い煙がすさまじい勢いで立ち込めた。

付近の住民:
全然、火も煙も勢いが増すばっかりで

別の付近の住民:
家の中にいてもボーンという音が聞こえたので、外に出たらすごいビックリしたんですけど。風向きで火がどういう風に燃え移るか分からなかったので、すごい心配で…

ケガ人はいなかったが、工場と倉庫 約3400平方メートルが燃えた。

火事から5日経った8月10日も、現場では消防隊が残り火がないか、入念な確認を続けていた。

オザワ繊工の小澤社長:
一番の火元はここになります
Q.何が燃えましたか?:
パレットになるんですけど

火元に案内してくれたのは、オザワ繊工の小澤俊夫社長。火の気のない場所に置かれていたパレットから出火した理由は…

小澤社長:
出火原因は子供がそこに火をつけちゃったということみたいですね。ハチの巣か何かがあって、それを殺虫剤でライターを使って、火炎放射器を作ってという風に聞いています

倉庫に保管された約300トンの糸に燃え移る…10分で全体が炎に

捜査関係者などによると、出火に関与したとみられるのは市内に住む12歳と13歳の中学1年の男子生徒2人。

2人はパレットにできたハチの巣を駆除しようと、噴射した殺虫剤に火を付け火炎放射器のように使用したところ、その後、工場に燃え広がったとみられている。

小澤社長:
最初、私がここに来たときは、まだパレットに引火してすぐの時だったんですが、いかんせん倉庫内に入ってるのが全部糸なので、その糸にあっという間に引火してしまって

倉庫に保管されていたのは、約300トンの糸。瞬く間に燃え移り、倉庫全体が炎に包まれるまでわずか10分ほどだったという。

たった10秒でTシャツが灰に…殺虫剤スプレーを使った火炎放射を実験

大規模な火災を引き起こした殺虫剤のスプレーを使った火炎放射。どれくらい危険な行為なのか、消防の協力のもと、実験してみた。

1メートルあまり先のシャツに向けて、スプレーを噴射し着火してみると…

噴射口からは大きく長い炎が伸び、シャツはたった10秒ほどで灰となってしまった。

名古屋市消防研究室の担当者:
スプレーに入っているLPGが大変燃えやすい可燃性のガスとなっていますので、大変危険性は高いと思います。消臭スプレーなどに多く使われている

炎が出る理由は、スプレーに成分として含まれるLPガス=液化石油ガス。

そのためスプレー缶には、「火気厳禁」「火炎に向かって噴射しないで」との注意書きもある。

また、この時期によく使われる制汗スプレーなどにもLPガスが使われているほか、衣服に噴射した場合には付着したガスに引火するという事例も起きている。

名古屋市消防研究室の担当者:
今は夏休みで、花火やBBQで火を使う機会が大変多いと思います。スプレーのものを使ってしまうと、火種に可燃性ガスが当たって大きな事故につながる危険性がありますので、十分注意が必要です

工場の社長「あきらめるしかないけど正直悔しい」

火遊びから起きた、取り返しのつかない火災。出火後、2人の男子中学生は現場に立ち尽くしていたという。

小澤社長:
(子供たちが)ここで震えっちゃって見てたんで。子どもたちがやったことなんで…あきらめるしかないんですけど…。正直悔しいですね

愛知県内では、14歳未満の子供たちの火遊びが原因の火災が、2019年は30件発生。2020年も12件起きていて、そのうち3件は7月に起きている。

小澤社長:
その子たちも、こんなとんでもない事故になるとは当然想像してなかったと思うんですけれども、火の取り扱いにはくれぐれも気を付けてもらいたいというふうに思います

調べに対し、火を付けた行為を認めているという2人の男子中学生。14歳未満は刑事責任を問えないため、警察は近く、失火の非行内容で2人を児童相談所に通告する方針だ。

(東海テレビ)