元格闘家でタレントの髙田延彦さん(62)が心臓病の一種である「心房細動(しんぼうさいどう)」を発症し、手術を受けたことを公表しました。

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放置すれば命の危険もあるという心房細動。闘病の陰には、妻・向井亜紀さんの支えがあったといいます。

ぬいぐるみに込められた“妻の思い”

かつては格闘家として活躍、現役引退後は、髙田総統のキャラクターなどで人気を博し、「男の中の男たち 出てこいやー!」の決めぜりふで親しまれている髙田さん。

そんな、男らしさや強さ、格闘の世界に身を置いてきた髙田さんが、約2年前から人知れず闘っていたのが、不整脈の一種である「心房細動」です。

「午前中、心臓アブレーション手術が終わった。ようやく術後の倦怠感が薄れてきた。2022年8月初旬に突然発症した発作性心房細動に悩まされながら 薬のやりくりで今日まで向き合ってきたが、心身へのストレスは避けきれず今回の処置に至った。」(髙田延彦インスタグラムより)

手術前に投稿した病室での写真、髙田さんの手にはクマのぬいぐるみが握られています。

「めざまし8」が、髙田さんのマネージャーを取材すると、妻の向井亜紀さんが渡したものであることがわかりました。

よく見ると、ぬいぐるみには手術をした跡のような縫い目が。

これまで妻の向井さんは、子宮頸がんや腎臓がん、大腸がんを患い、つらい手術を乗り越えてきました。

このクマのぬいぐるみは、向井さんが手術の際には必ず、病室の枕元に置いていたという“お守り”だったのです。

さらに、ぬいぐるみの足に記されていたのは「nobody is perfect=完璧な人間なんていない」。“病気をしても諦めるな”という願いが込められているといいます。

そして、手術にのぞむ夫にこんな言葉もかけていました。

「目が覚めたら、きっとスーパーサイヤ人になってるよと、言っておきました。お医者さんとの約束を守れば、また楽しく身体を動かすことができるはず。ラッキーを指折り数えながら、長生きしてもらいたいものです。」(向井亜紀ブログより)

夫婦の絆で挑んだ手術は無事に成功。髙田さんは、18日退院したことも報告しました。

「今回インスタに上げた事で、この症状で悩んでいる方々が想像以上に多くいる事を知りました。どうか無理をせずに規則正しい生活リズムを心掛けながら、それでも不安が止まない時には、心臓アブレーション手術を受ける選択肢も解決法のひとつとして考えてみるのもいいかもしれません。弱冠62歳!まだまだ行くぜー(髙田延彦インスタグラムより)

半数以上が“無症状”から進行

髙田延彦さんが向き合ってきた発作性心房細動とは、どんな病気なのか。年間、約500件の心房細動患者の手術を行っているという専門医に話を聞きました。

幕張不整脈クリニック 濵義之院長:
(心臓の)右心房と左心房が、通常は1分間に60回ぐらい動くんですけども、それが300回から600回バラバラに震えちゃう病気。脈が速くなって動悸を感じたりする。意識を失う方も中にはいます。

30代から年齢が高まるにつれて、発症リスクが高まるという心房細動。

歌手の辺見マリさんや、3度のエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎さんも心房細動と診断され、手術を受けたことを公表しています。

また、心房細動は、血管の詰まりの原因となる血栓ができやすくなるため、放置すると重大な疾患を招く恐れも…。

幕張不整脈クリニック 濵義之院長:
大きい血栓が頭に飛んでいくと脳梗塞、小さい血栓が頭に飛んでいくと認知症が進んだり、脈が速くなるので、心不全、心臓が疲れた状態になる。結果として死亡率まで上がると言われています。

主な症状として、動悸やめまい、息切れ、意識を失うなどがありますが、濵院長によると約半数以上は無症状のまま病気が進行するといいます。

幕張不整脈クリニック 濵義之院長:
最初は発作性心房細動と、なったり戻ったりの状態から始まって。戻っても勝手に治ったりはしないんです。そのうち発作の持続時間がちょっとずつ長くなり、頻度が少しずつ多くなり、そのうちに持続性心房細動、1週間以上続く状態になり、治らない状態になりと、ちょっとずつ進行していきます。

――自覚できるようになったときにはかなり進行していると?
そうですね、早期発見が大切です。

――症状が少ない人は、どうやって見つければ?
「検脈」ですね。普段から、脈をみるくせをつけていただく。普段から自分はどういう脈なのかをみていただいて、それが不規則にバラバラになっているようだったらもしかしたら心房細動になっているかもと。

今は、スマートウォッチで脈が測れるようなものも売っていますし、血圧計に心電図がついているようなものも売っていますので、症状があるような方は家で心電図をとって医療機関に持ってきていただくと。心電図がないと私たち診断ができないので。

ただ、心電図がなかなか取れなくても、脈の異常をみつけたら医療機関を受診するのが大事になってきます。

(「めざまし8」7月19日放送より)