あなたは「献血」をしたことがあるだろうか?
献血ルームなどで集めた血液からは、輸血用血液製剤を始めとする様々な医薬品が作られているのだが、このような医薬品はこれから増加すると予想されている。
そこで日本赤十字社は、この4月から体格など一定基準を満たす成分献血希望者の採血量を「増量」する試みを本格的に始めている。

出典:厚生労働省

献血をしたことがない人のために説明すると、献血には血液のすべての成分を採る「全血献血」と、特定の成分を採って赤血球は体内に戻す「成分献血(血漿成分献血・血小板成分献血)」がある。

これらの献血は成分ごとに分離して輸血用血液製剤と、血漿分画製剤などの「原料血漿」になるのだが、厚生労働省の調査ではこの「原料血漿」の必要量が増加すると予測。
そこで「原料血漿」を確保する取り組みの一つとして、血漿成分献血と血小板成分献血を対象に、同意した人の体格に応じて採血量を600mlまで増やすことになった。

出典:日本赤十字社

実は、血漿成分献血と血小板成分献血は、これまでも国が定めた基準では600mlの献血が可能だった。
このうち血小板成分献血は2017年4月1日から600ml採血していいことになっていたが、日本赤十字はより安全性を高めるため試行実施し、その後健康被害など問題はないと判断して今年4月に本格開始している。

また血漿成分献血の一部は、これまで採取する量を製品規格に合うよう460ml~500mlに調節して採血していたが、今年4月からは同意を得た上でより多くの血漿を採取するという。

ちなみに筆者は今まで全血献血ばかり受けてきた。
その理由は献血にかかる時間で、全血献血は10~15分程度で終わるが、成分献血は40~90分かかると言われていつも尻込みしてしまうからだ。
その反面、成分献血をしている人は映画やテレビをゆったりした椅子で見られていいなといつも思っていた。

しかし増量するということは、さらに採血時間が長くなるのか?また具体的にどんな体格の人に増量をお願いするのか?
日本赤十字社の担当者に聞いてみた。

献血の受付で増量のお願いをすることもある

――増量のお願いは具体的にどうやるの?

事前の依頼は、過去の献血データを保有する「ラブラッド」会員の皆様に向けて行います。
なお、会員ではない方にも、はがきや電話による事前の依頼や献血会場の受付でご協力をお願いしてまいります。

出典:日本赤十字社

――増量はどんな人にお願いするの?

国が定める基準内で、体格(循環血液量)に応じた採血量の献血をお願いしてまいりますが、体格(循環血液量)を数値でお示しすることは誤解が生じる可能性があり、また、体格(循環血液量)を満たしていても、その他の理由(血管が細めである等)によりお願いできない場合もあることから、お願いする基準を一概にお示しすることは困難です。


――増量するとさらに長い時間がかかるのでは?

個人差もありますが、成分献血は採血量に応じて40~90 分ほど(休憩時間も含めると最長で 120 分程度)いただくことをご案内しております。
なお、お手洗い等は採血前に済ませていただくようご案内をしております。

――献血ポイントは増量するともっともらえる?

国が定めた基準内での体格(循環血液量)に応じた採血量の増量に対するポイントは付与しておりません。

献血でもらえるポイント数

献血者が不足しているわけではない

――増量をしたのは献血の量が減ったからでは?

献血者数は減少傾向にありますが、日本赤十字社では、有限で貴重な献血血液を有効に活用できるよう、医療機関の需要に応じた採血に努めています。
献血者数が減少傾向にある主な要因として、献血者一人当たりの献血量が増加していることから、以前と比べ、必要な血液量を少ない献血者数で確保することが可能となっていることが挙げられます。

必要な血液量(献血者数)とは、このような要因のほかに、毎年度国が決定する需給計画の影響を受けて変動いたしますことを、ご参考いただければと存じます。
つきましては、献血者数が激減または不足といった表現は適さないものとなりますので、ご理解のほどお願いいたします。

――増量で増えた分の血液は何に使われるの?

製品規格の量に分離をおこない、残りは血漿分画製剤の「原料血漿」として使用されます。


――(国の需給計画により決定された原料血漿目標量を確保するための) 増量によって「原料血漿」はどれだけ増える見込み?

原料血漿確保量増加に向けた取り組みは献血だけではありません。

それぞれどの程度の血漿量増加を見込んでいるかをお示しいたします。
・ 「血小板成分献血の血漿採取量の増量」で約5.9万Lの増量(献血)
・ 「成分採血由来血漿製剤の製造工程における血漿分離」で約1.7万Lの増量(献血)
・ 「自動遠心分離装置の導入」で約0.9万Lの増量
・ 「PAS(血小板保存液)血小板製剤の導入」で約10.2万Lの増量
・ 「原料用血漿成分採血1本あたりの採取量の増加」で約3.5万L。(献血)
※全て保存液込みの量

これらの取り組みを、順次進めております。

東京スカイツリータウンの献血ルームfeel 出典:日本赤十字社

ちなみに「ラブラッド」のポイントとは別に、日本赤十字社は継続して献血した人への感謝として様々な記念品を用意している。
また献血ルームによっては無料の飲み物や軽食を用意していたり、マンガや雑誌が読み放題だったり、いろいろなサービスがあるので、一度足を運んで見てはいかがだろうか。

出典:日本赤十字社