埼玉県の東北自動車道で10日午前2時すぎ、加須インターチェンジの出口から下り車線に逆走して進入した乗用車がトラックと正面衝突して2台が炎上、乗用車の運転手が死亡した。
しかし、このインターチェンジから逆走して高速に入っていった車はいないことが確認されている。一体何が?
交通事故鑑定人がその謎を分析すると、“出口直前のUターン”の可能性が見えてきた。

高速道路での逆走…年間約200件

トラックが行き交う真夜中の高速道路で燃えさかる炎。立ち上る黒煙の間に、大型トラックの荷台が見える。

事故時の視聴者撮影映像より
事故時の視聴者撮影映像より
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夜空にはおびただしい量の煙が立ち上っていた。

事故後、埼玉・加須市上空から事故現場を見ると、高速道路上に黒く焼け焦げた跡が残っているのが分かる。

逆走車による事故は10日午前2時すぎ、埼玉・加須市の東北自動車道下り線で起きた。加須インターチェンジの出口から下り、車線へと進入した乗用車が、逆走後に大型トラックと正面衝突し2台とも炎上した。

事故現場 10日午後1時過ぎ
事故現場 10日午後1時過ぎ

事故発生から約11時間が経過した午後1時を過ぎに事故現場を取材すると、辺りには焼けた匂いがし、アスファルトは真っ黒になっているのがわかる。路肩の植え込みも燃え尽きてしまっている。高速道路の路面や側壁は黒く焼け、上を走る国道125号線の高架にも焼け焦げた跡がくっきりと残っていた。車同士が凄まじい勢いで燃えていたことが分かる。

この事故で、逆走した乗用車を運転していた40代の男性が逃げ遅れて死亡した。

また事故の影響で、東北道は下りの久喜インターチェンジから加須インターチェンジの間で約6時間にわたり通行止めとなり、解除された後も渋滞が残った。

年間で約200件発生している、高速道路での逆走。

2024年6月撮影 愛知県と三重県を結ぶ伊勢湾岸自動車道での“逆走の瞬間”映像
2024年6月撮影 愛知県と三重県を結ぶ伊勢湾岸自動車道での“逆走の瞬間”映像

2024年6月に撮影された愛知県と三重県を結ぶ伊勢湾岸自動車道での“逆走の瞬間”映像を見ると、出口に向かう分岐付近で、車の陰から現れたオレンジ色の車がそのまま反対方向に走り始めた。
出口料金所のバーを押し開けて、高速道路に進入したというこの逆走車。運転していたという50代の男性はその後、約1kmに渡って逆走を続けた。

逆走車が確認できない…出口間違えUターンか?

今回、死亡した40代の男性はなぜ逆走してしまったのか。「イット!」の独自取材で、事故直前の状況が分かってきた。

NEXCO東日本によると、事故の直前、加須インターチェンジに設置されているカメラや、当時有人ブースにいた職員に確認したところ、このインターチェンジ(料金所)を逆走して通過した車は確認されなかったというのだ。

そのことから専門家が指摘するのは、運転していた男性が下りる出口を間違えたため、Uターンをして本線に戻ろうとした可能性だ。

交通事故鑑定人 中島博史さんは、「本来、ここの出口で出るつもりではなかったけど、(料金)ゲートの近くまで来てしまった。高速道路に戻ろうとして(誤って)出口側のレーンに入ってしまったのではないか」と分析する。

優先すべきは「衝突の回避」

では、もしも高速道路を走行中に逆走車に出くわした場合、どう対応すればいいのか。

交通事故鑑定人 中島博史さん:
危ないぞ!ということで、クラクションを鳴らす方はいると思います。ただあまり有効ではないですね。高速道路の場合には相対速度が非常に高いので、とにかく優先するのは衝突の回避です。

2024年5月、埼玉県の高速道路で撮影された別のドライブレコーダー映像には、正面から猛スピードで迫ってくる逆走車が映っている。ドライバーが逆走車に気づいてから、ハンドルを切って衝突を避けるまでの時間は、わずか1秒ほどしかなかった。

まさに“瞬時の対応”を迫られる高速道路。
逆走車に気づいた場合は速度を落とし、路肩などの安全な場所に停車するなど、衝突を回避する行動をすぐにとることが求められる。

今回の事故では大型トラックの運転手も病院に搬送されたが、命に別条はないという。
(「イット!」7月10日放送より)

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