岩手県盛岡市内で専門家が見ても珍しいという瞬間がカメラに捉えられた。
映っていたのは、クマの背後からキツネが尾行する様子だ。その映像は何を意味するのか。

2023年6月、岩手大学の学生による「ツキノワグマ研究会」が盛岡市猪去の山林に設置したカメラで捉えられた映像。

林の奥から2匹の動物が現れる。
先頭を歩いているのはツキノワグマだが、その後ろから付いてきている小さな動物の正体は、なんとキツネだ。

7月3日、この映像が撮影された現場を研究会の代表に案内してもらった。

岩手大学ツキノワグマ研究会代表 山口祥太さん(3年)
「2種類の動物が一緒にカメラに映るのはなかなかないので、びっくりした」

実はこうした光景は10年前の6月にも盛岡市下厨川の山林で写真に収められていた。

こちらは森林総合研究所東北支所のカメラで撮影されたもので、2匹のキツネがクマの後を追っている。

クマの生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんによると、こうした光景が確認されるのは全国的にみてもかなり珍しいということで、当時、大西さんはとても困惑したという。

森林総合研究所東北支所 動物生態遺伝チーム長 大西尚樹さん
「笑っちゃいました、なんでキツネが一緒に歩いているの」

このキツネは本州などに広く分布する「ホンドギツネ」。
通常、キツネは単独行動を基本としているため、大西さんはクマと一緒にいたのは偶然だと思っていたが、2023年に岩手大学の研究会の動画にも同様の光景が記録されていると知り、考えが変わった。

森林総合研究所東北支所 動物生態遺伝チーム長 大西尚樹さん
「10年たっているのでキツネもクマも明らかに違う個体同士。たまたま起きたことではなく時々あることなんだと」

世界的にみると、ホッキョクグマの後ろをホッキョクギツネが追尾するという事例があるそうだが、今回のケースとは性質が異なるという。

森林総合研究所東北支所 動物生態遺伝チーム長 大西尚樹さん
「クマのふんを食べるため、北極というえさが少ない中で、キツネにとっては貴重な食べ物ということで追いかけていた」

しかし、山林では雑食であるキツネのえさが枯渇しているとは言えない。

大西さんは、今回の事例では撮影時期がどちらも6月であることに着目し、自分の子どもを守るための行動なのではないかと推測している。

森林総合研究所東北支所 動物生態遺伝チーム長 大西尚樹さん
「6月はキツネが子どもを産む時期でもある。クマが子ギツネを食べる可能性があるので、巣にクマが来ないよう追い払う目的。クマがどこに行くか確認しようとしているのでは。一番可能性が高いのはここだと思う」

岩手めんこいテレビ
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