こだわりの“客目線”

長野市にあるパン店の「ピクニック」。店頭には毎日、20種類以上の惣菜パンや食パンが並び、多くの客が訪れている。人気の秘密を探るべく「ピクニック」の1日に密着した。

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客:
町のパン屋さんという感じでおいしく使わせていただいています。チーズを挟んだフランスパンを買った。2日に1回は買う。家族でよく食べるんですよ

まだ、暗い午前4時。すでに職人たちが忙しそうにパンを作っていた。作業は毎日、午前3時頃から始まる。

ピクニック現場責任者・内村信也さん:
数えたことないんだけど3000個~5000個くらい1日で作るんじゃないかな。アンパンは多いときに200個とかそういう日もあって朝来てびっくりすることもある

「ピクニック」はスーパーや病院、保育園などにもパンを卸しているため5人の職人が一日ずっとパンを作り続ける。

ピクニック現場責任者・内村信也さん:
お客様の目線で物を作ることですかね。いくら自分たちがおいしいと思って作ってもお客さんが喜ばなければ意味がないんで

焼きあがったパンを店に並べ、午前7時にはオープン。子どもを学校に送った後、立ち寄る女性も。

女性客:
朝早いので(子供を)送った後、寄らせてもらってます。おいしいですよ

ピクニックができたのは1994年。その前からあったパン店を今の社長が引き継ぐ形でオープンした。

当時から働く内村信也さん:
地域密着で(地元に)何かお手伝いできないかというのが一番でそれは今でも変わっていない

パン店を続けることで地域に貢献したいと始まった「ピクニック」。オープンから間もない1998年の長野オリンピックのときにはオーストリアから職人を招き、現地のパンを作ってゲストハウスに提供した。平成も終わろうする今、当時、作っていたパンを「平成フラッシュバック」と題して提供するコーナーも設けている。

一番人気は食パン

「ピクニック」では様々なパンを作ってきたが、創業当時から変わっていないのが食パン

国産と海外産の小麦をブレンドし、生地をゆっくりと醗酵させることで旨みを引き出すつくり方は25年間変えていない。焼きあがった食パンはもちもち、ふわふわの食感。1斤150円と求めやすい価格に設定している。

ピクニック現場責任者・内村信也さん:
食パンは朝かなりの割合で召し上がる。それが高い値段の必要があるのか。毎日普通に飽きずに食べられるもの安価なものが食べ続けられる条件かなと思ってます

店の一番人気も食パン。

客:
食パンがおいしいです。普通のスーパーで買うよりおいしいって家族みんな好きです

高校でも販売

午後0時半過ぎ、パンを車に積み向かったのは長野吉田高校。「ピクニック」は長野吉田高校と清泉女学院の2校の「購買」でも販売している。

生徒からは「おいしい。便利です」や「どのパンもおいしいしお手軽な値段」と言った声も。店よりも少し安い「学生価格」で販売し食べ盛りの高校生のお腹を満たしている。卒業後も、懐かしさから店に足を運ぶ人も多いそうだ。

ピクニック・内藤大二郎さん:
新入生も入ったばかりで、みなさん様子見というか、先輩にびびりながらという感じでしたかね。今後、部活も忙しくなると部活前に食べたいという学生も増える

午後3時、販売は落ち着いていたが職人たちはまだ手を動かしていた。朝7時にはピクニックのパンを楽しみにしている住民がやって来るので翌日の朝一番に出すサンドウィッチの仕込み。

ピクニック現場責任者・内村信也さん:
あくまで地域密着ですね。地域の人に愛されないと当然、外から愛してもらうことはないですから。まず、常にお客さんに近い目線で、おいしいものを手ごろな値段で食べやすいものを提供できるか、その中で新しいアイディアをどう投げかけていくのかだと思います

(長野放送)

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