全国で空き家が増え続け、住宅に占める空き家の割合は13.8%と過去最高を更新しました。

 北海道・栗山町でこの空き家を活用しようという取り組みが本格化しています。

 栗山町の住宅街を歩いて回る森大起さん。

 地域おこし協力隊の空き家コーディネーターという仕事です。

 「多いときでは、一日3万歩とか歩く日もあったんで大変ではありました」(空き家コーディネーター 森 大起さん)

 森さんは、空き家がないかを探しています。

 「車が止まっているかどうかをまず見て、カーテンがあるかどうかを見て、気配がなかったら次に電力メーターを見たりして、電気が止まっているかどうか、(表示が)両方点滅しているので電気が止まっている状態になります」(森さん)

 まずは町内にある4500軒の住宅を回るのに、半年かかったといいます。

 その結果、約300軒の空き家が存在することが分かりました。

 所有者が空き家を売るか、貸すかを決めたら「空き家バンク」というサイトに掲載します。

 農家が住んでいたという空き家と近くの納屋を購入した夫婦がいます。

 築50年近い木造の納屋をカフェに改装しました。

 広い土地で犬と一緒に過ごせるようなカフェをつくりたい。

 菅原つかささんの夢でした。

 一部、笹やぶだった丘はドッグランに変わりました。

 夫の拓さんと札幌で暮らしていましたが、空き家バンクを見て移住を決めました。

 「地方に行くと圧倒的に(物件の)数が少ない。空き家バンクだと栗山町に特化している人達がやっているので、民間サイトには載っていない物件が多かったり。空き家バンクのサイト、すごいなと」(菅原 拓さん)

 「(役場から)移住者交流会とかとかに呼んでいただいて。空き家バンクでやったからこそ、こういうつながりがあったのかなと思います」(菅原 つかささん)

 「ここは病院や商店が立ち並ぶ栄えた通りでしたが、今は建物にシャッターが下り、人通りも少なくなっています」(熊坂 友紀子 記者)

 栗山町は新千歳空港から車で45分、札幌からも1時間の距離です。

 郊外には豊かな自然が広がります。

 栗山町役場で空き家の存在が大きくなっていったのは、新型コロナ対策に追われていた頃でした。

 「コロナ禍から空き家を求める方の相談が急増しまして。栗山町内に空き家を求めている、つまり『移住したい』。『街中がいいよ』とか『静かな郊外』、『家庭菜園ができるところがいいよ』とか、いろんなオーダーがあるので、それを表にして」(栗山町 若者定住推進課 小野寺さゆり 課長)

 「あと4年で定年 自給自足の生活 30aの畑つき」。

 空き家についての相談はこれまで、年に1件あるかないかでしたが、移住したいという人が急増しました。

 しかし・・・

 「家がないので紹介できないんですよね。空き家さえあれば『人口100人増えるよね』ってみんなで言っていて」(小野寺 課長)

 当時、空き家を把握していなかったため、移住希望者に物件を紹介することができませんでした。

 「腰本さん、悔しかった?」(小野寺 課長)

 「いやーもう、悔しいしかないですよね。家を求めてきて移住したいって少しでも思ってくれているけれども、家とか物件がなければ、栗山町でなくてもいいっていう判断になっちゃうんですよね。毎日のように殺到していた時期があって。(相談者を)毎回送り出すたびに、敗北感みたいな感じでした」(若者定住推進課 腰本 江里沙さん)


 空き家を調査して回る森さんも2023年8月に栗山町に引っ越すまで家が決まらず、待たされた当事者でした。

 「私自身、愛知から栗山町に移住するって時に家がなくて、なかなか移住できなかったんですね。それなのに空き家はいっぱいあるっていうのが不思議で」(森さん)

 「空き家になって寂しいからね、町内会としては。誰か一人でも入ってくれれば助かる。空き家、空き家じゃね。ここも空き家、こっちも空き家だからね」(栗山町民)

 2023年度決まった空き家の購入・賃貸はあわせて12件。

 空き家バンクには2024年度もさらに5軒が登録されました。

 担当者の熱意が多くの移住希望者を栗山町へ呼び込んでいます。

 「私はこの仕事をするようになってから『空き家は宝だ』って思ってまして。町を歩いている時に『この家、空き家じゃないかな』とか。早いうちに、空き家を状態のいいときに次の人に渡して活用してもらうことが、地域の活性化、人口増につながるかなって思っています」(小野寺 課長)

北海道文化放送
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