2020年東京オリンピックでの宿泊施設不足を解消する画期的な計画が動き出している。
その名は「ホテルシップ」。
 

 
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「ホテルシップ」とは文字通り、港に停泊した大型クルーズ船などを宿泊施設として活用すること。
東京オリンピックには国内外から1000万人程度が訪れると言われ、宿泊施設の確保が課題となっていた。

政府は今月3日に、東京、神奈川、千葉にある5つの埠頭を「ホテルシップ」が停泊する候補地として示し、今後は宿泊施設として活用するためのガイドラインをまとめて2019年までに必要な制度改正を進めるという。

 

ホテルシップは日本で世界で大活躍

この報道で「ホテルシップ」という言葉を初めて聞いた人も多いのではないだろうか?
だが実は「ホテルシップ」は、前回1964年の東京オリンピックや、近年のオリンピックでも活躍している。
 

【ホテルシップが使われたオリンピック】
1964年:東京オリンピック…横浜港の大桟橋に5隻接岸、大変な賑わいを見せた
2010年:バンクーバーオリンピック
2012年:ロンドンオリンピック
2014年:ソチオリンピック、
2016年:リオデジャネイロオリンピック
 

また2011年の東日本大震災では、民間企業が所有する船を「ホテルシップ」として提供し、被災者の入浴や食事の提供に使われたという。
 

横浜市では、1989年に行われた「横浜博覧会」で豪華客船「クイーン・エリザベス2」をホテルシップに使用。
65日間の停泊で、なんと約18万人も乗船したという。
では、2020年にはどんな「ホテルシップ」がオープンするのか横浜市の担当者に聞いてみると…そもそも候補地報道について一言あるという。
 

場所はまだ可能性の段階です!

担当者:
ホテルシップの候補地として5か所が報道されましたが、それはあくまで可能性の一つにすぎません。
「〇〇埠頭」などと書かれた場所に絞り込んだわけではないんです。
横浜港には他の場所たくさんあるので、いろんな場所について幅広く前向きに検討しています。

ホウドウキョク:
これまで横浜市で行われたホテルシップはどんなものだった?

担当者:
まず、1969年の東京オリンピックのホテルシップは「横浜市」でやったものではありません。
1989年の横浜博覧会では、宿泊施設として使った他に、ランチ営業や、結婚式を開いたという記録も残っています。

当時、横浜市は事業者として参加しましたが、次の機会では運営そのものには関わりません。
場所を民間事業者の方にお貸しして使っていただくと言う形になります。
 

 

メリットと問題点

ホウドウキョク:
ホテルシップを実施するメリットは?

担当者:
これについては横浜市長も会見でお話しています。
港という財産を生かした特色ある宿泊施設を作ることで、賑わいや経済効果などが期待できます。

また東京オリンピックでは、横浜スタジアムでソフトボール、日産スタジアムでサッカーが予定されています。
そのような地元会場の興奮を、既存のホテルや商業施設と共に協力関係を築き、オリンピックを盛り上げていきたいと思います。

ホウドウキョク:
ホテルシップの問題点についてはどんなものがあるのか?また今後の見通しは?

担当者:
既存の桟橋は普段から船の発着に使っていますので、ホテルシップを長期間に渡って係留することになると、いろいろ考えなければなりません。
まだオリンピック期間中ずっとなのか短期間なのか検討中でしょうけど、事業者の希望も考慮しながら考えていこうと思っています。

あと、旅館業法で換気・採光への配慮が定められているため、窓のない客室は使えないという話もあります。
これに関して、解決へ向かっているという報道もありますが、まだどういった改正がされるのか分かっていません。
現場の立場としては、改正の内容をきちっと把握して、適切な対応をしていかなけければならないと思っています。