「会社のいうことは絶対」…は間違い?

「働き方改革」の動きが広がる一方、なかなか業務改善がなされず日々の仕事に追われている人や、この春、新たに社会に進出する学生の中にも、内定を受けた企業での業務内容や職場環境について、不安を感じている人もいるだろう。

そんな新入・若手社員の不安や疑問にこたえるアニメ「新入社員 萌のTime is Money」が配信されている。

会社のいうことは絶対。
だから上司の無茶な命令も聞くし、サービス残業も当たり前。
そんなあなた。その考え方、間違っていますよ。
 会社に雇われて働くすべての人は「労働法」で守られているのです。
このビデオで「労働法」を知って、会社の不当な対応から自分を守りましょう。

動画を公開しているのは東京都労働相談情報センターのサイト「知らないと損する労働法」で、時間外労働や割増賃金など、労働者の権利についてアニメでわかりやすく学べるようになっている。          

イケメン「労働法の神様」が解説

今月1日に公開されたのは、「労働時間・時間外労働」「割増賃金」「固定残業代」の3本。どれも約4分のショートアニメだ。

明るく“ちょっと調子のいいところがある”主人公の女性新入社員・佐倉萌が、職場で直面する突然の残業命令や、仕事が遅いから残業代なし、営業部は残業代が固定などと上司に言われ困っていると、「労働法の神様」が現れ、労働法のルールを丁寧に説明し、上司を説得して萌を助けてくれるというストーリーだ。 

「新入社員 萌のTime is Money」の「(1)労働時間・時間外労働編」では、入社して3ヶ月経ち仕事にも慣れてきた萌が「定時に帰る!」と意気込んでいると、突然上司から「今日中に」と仕事を頼まれる。定時1時間前ということもあり、萌は「最近、残業が続いている」と主張するが、上司は「業務命令」だと言い張る。すると、「労働法の神様」が降臨し、労働時間に関する労働基準法第32条や「36協定」について解説し始める。

ちなみに、この「労働法の神様」名前を「ガベル」といい(萌は「ガベル様」と呼び、ピンチに駆けつけてくれる彼を頼りにしている)、裁判官のような出で立ちをしている。

萌と上司の課長に労働法のポイントを説明するときに「槌」が登場するのだが、裁判官が判決を言い渡す際などに叩く「ガベル=槌」が名前の由来。

試行錯誤の末たどりついたアニメ

東京都労働相談情報センターには、働く人から職場でのトラブルなど労働問題に関する相談が多く寄せられる。

そうした実際の相談内容を参考に、知っておきたいテーマをアニメで分かりやすく説明した「知らないと損する労働法」シリーズ。

2015年にスタートした第1弾「バイト先のトラブル!その時どうする?」はドラマ形式、第2弾の「バイトの悩み“解笑”セミナー」はコント形式と、趣向を変えて毎年2月末~3月にかけて公開している本シリーズについて、同センターの担当者にアニメ化の経緯と反響を聞いた。

「以前から学生バイトのトラブルなど、若者から労働問題の相談を多く受けていた。今回は『労働とは何か』の基本に立ち返り、労働法を軸に若者の興味を引き、わかりやすく伝えられるアニメを選んだ」という。

また、これまでの第1弾、第2弾はテーマによって7分を超える回もあったが、途中で飽きてしまわないよう3~4分にまとめたと若者を意識した工夫も凝らしている。

第3弾からアニメになり、親しみやすいキャラクターと印象的な場面構成のためか、動画の再生回数が増えている」ということだ。

動画を見た幅広い世代からは、動画を見て、就業規則が周知徹底されていないことが問題であると、はじめて理解した」、「労働条件を記した契約書についても、アニメなどの動画にしてほしい」といった好意的な意見が寄せられ、労働条件などの周知に効果をもたらしているようだ。

新入社員だけでなく、長時間労働や賃金などに悩む若手・中堅社員にも役立つ「新入社員 萌のTime is Money」。

管理する立場にある社員にも、自らの職場の状況を見直し、皆が不安と不満をもたない快適な労働環境をつくるきっかけとしてほしい。

(動画・画像提供:東京都労働相談情報センター)