綿密な計画性と強い殺意

東京・東久留米市で55歳の男性を殺害した疑いで、内縁の妻の次男が逮捕された事件。
ジャケットを肩にかけ落ち着き払った表情を見せるのは、逮捕された三ツ本寛己容疑者(28)
事件の第一発見者であり、被害者の内縁の妻の次男だった。

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これまでの捜査で浮かび上がっているのは、被害者に対する恨みと犯行に向けた強い計画性だった。
事件が起きたのは11月24日。東京・東久留米市の住宅で、会社員の二岡一浩さんが胸や首などを刺され、殺害されているのが発見された。

自宅の2階で寝ていた二岡さんの体には、強い殺意をうかがわせる70カ所近くの刺し傷などが残され、血痕のようなものが天井にも付着していた。
警察は当初、室内に荒らされた形跡があったことから強盗殺人事件として捜査を開始した。

「警察に落ち着いて電話」容疑者に感じた違和感

しかし、捜査当初からいくつもの不自然な点があった。
事件前、内縁関係にあった三ツ本容疑者の母親と母親の長女の3人で暮らしていた二岡さん。
事件当日に母親と長女はイタリア旅行中で不在だった。勤務先から「二岡さんが出勤していない」と連絡を受けた三ツ本容疑者が、事件の第一発見者として110番通報。

当時、その様子を見ていた近所の人はある違和感を口にしていた。

近所の人:
三ツ本容疑者は「窓ガラスが割れてたんで、中には入らずにそのままにしてあります」と言い、警察に救急車を呼んだことを伝えていた。すごい落ち着いて、ハキハキ話していました。
変だなと思ったのは、被害者が家にいるかどうかもわからない状態で救急車って呼ぶかなと思いました

窓は音が出ない方法で破壊

さらに1階のリビングの窓は、窃盗犯などが音が出ないようガラスを焼いた上で叩き割る「焼き切り」と呼ばれる方法で壊されていた。
しかし、室内には物色された形跡があったものの、財布など金目のものは手つかずの状態だった。
金目当てか?怨恨か?両面での捜査が続く中、事件当日 三ツ本容疑者が自宅アパートから現場に向かう様子が防犯カメラに映っていたことから関与が浮上。

11月に行われた家宅捜索では、三ツ本容疑者が住んでいたアパートの3階から複数のナイフが押収された
その後の捜査で、三ツ本容疑者の携帯電話には「焼き切り」について調べた検索履歴が残っていたことも新たに分かった。
三ツ本容疑者が二岡さん宅の合鍵を持っていたことから、警視庁は第三者の侵入を偽装した可能性もあるとみている。

“好青年”と評判だった男がなぜ凶行に及んだのか。
二岡さんが三ツ本容疑者の母親らと同居を始めたのは、5~6年前とみられている。
三ツ本容疑者について元アルバイト先の上司は…

三ツ本容疑者の元アルバイト先の上司:
明るくて、接客は元気にやってましたので印象は良かったですけどね。
お母さんと妹さんのお話はよくしていたので仲いいのかなって。お父さんの話は出たことないです。

三ツ本容疑者は、逮捕前の任意の事情聴取に対し「二岡さんに恨みがあった」という趣旨の供述をしていたことが新たにわかった。
一方で、逮捕後の取り調べでは容疑を否認している。
警視庁は、二人の間に何らかのトラブルがあったとみて動機の解明などを進めている。

(「Live News it!」12月3日放送分より)