地域の発展や文化の向上に貢献した人に贈られる石川テレビ賞。

木工芸作家の福嶋(ふくしま)則夫(のりお)さんです。

福嶋さん:
「人の真似ではいけないので、自分独自のものをいかに作るかというのがなかなか難しくて。なんとか四苦八苦しながらここまで来て、やっとたどり着いたという感じです。」

金沢市の木工芸作家、福嶋(ふくしま)則夫(のりお)さん(76)。

木工芸の伝統的な技法、指物(さしもの)は釘などを使わずに板をさし合わせ、家具や調度品に組み上げます。

福嶋さんは指物に加えて木材に別の木材を埋め込む象嵌(ぞうがん)という技法を用います。

基礎となる板にミリ単位で彫った無数の溝の上から細長い板目の木をはめ込むことで、自然の木目に変化を持たせる独自の技法を編み出しました。

福嶋さん:
「埋め込むのを少し厚くしてあるわけやね溝より材料つぶすんだわ。木殺しと言って。つぶしてから埋め込むわけやね」
「こういうふうに少し削って木目が出てくるわけやね」

繊細な板目文様が立体的に浮かび上がります。

福嶋さんが木工芸の門を叩いたのは県内の建具店で修業を始めた15歳の時。

以来60年にわたり腕を磨き続けてきました。

福嶋さんが使う材料は主に神代杉(じんだいすぎ)と呼ばれるもの。

自然の営みの中で地中深くに埋もれ、何百、何千年もの年月を経て掘り出されたスギです。

福嶋さんはこの貴重な木材を余すことなく作品に取り入れます。

福嶋さん:
「神代杉の場合は使える部分と使えない部分がかなりたくさん出ますので、木って言うたら何百年、何千年も育ったものですからそれを粗末にできませんからできるだけ使いこなすようにして」

匠の技が時を超えて木に新たな命を吹き込みます。

福嶋さんが毎週欠かさず通う金沢職人大学校の専門塾。

20数年にわたって講師を務め、技の伝承だけでなく木工芸ならではの魅力を受講生に伝えています。

福嶋さん:
「自分はこれしかできないので。なんとかこれから自分の持っているものを若い人たちに少しでも伝えていけるように努力していきたいと思っております。」

福嶋さんはこれからも伝統の技を守り、伝えていきます。

石川テレビ
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