DACAを撤廃する方針を表明

子供の時に親に連れられてアメリカに不法入国した若者の在留を認める制度を≪DACA≫(ダカ)というが、その撤廃表明から読み取れるトランプ大統領の思惑はいったい何なのか。

 夏休みが明け、連邦議会が再開した5日、トランプ大統領はDACAを撤廃する方針を表明。6か月の猶予期間の内に、議会が包括的な移民法改正をまとめるよう要求した。
DACA撤廃で強制退去の対象となる人数は80万人と言われるが、大統領は若者80万人を人質にとって「俺の言う通りにしろ」と議会を脅迫したようなものだ。
抗議や非難の動きが広がるのも当然だ。

課題山積のトランプ政権

9月はトランプ政権の命運がかかった月。
ハリケーン・ハービーの復興予算を早急に組まなければならない。月末までに2018年度の暫定予算で合意する必要がある。その際にメキシコ国境の壁の予算はどうなるか?
債務上限も月末までに引き上げないと政府機関の一部閉鎖という事態になるし、税制改革も視界不良、などなど課題山積だ。

民主党が抵抗するのは目に見えている。
一時はDACA撤廃を見送る見返りとして予算で議会の譲歩を得る・・といった取引説も流れたが、9月の局地戦はそれぞれがなかなか難しく、この劣勢を挽回するには、議会との短期戦・局地戦で終わりにするのではなく、DACA80万人の人質をより有効に使って、長期戦・全面戦争を仕掛けてやれ!というトランプ大統領の思惑が透けて見える。

北朝鮮対応への影響は?

月の「秋の陣」では獲得できない「壁の建設予算」も、今後6か月の延長戦でなら取れる期待をつなげるという目論見もあるのだろう。

しかし、ただでさえ議会との関係が微妙なところに、80万人6か月人質作戦は劣勢挽回のための捨て身の戦法と言える。
移民法の包括的改正となれば国を挙げて侃侃諤諤の議論になる。
14か月後には中間選挙が控え、議員にとっては再選を賭けた戦いとなるため、トランプ大統領もありったけの政治エネルギーを注がない限り、勝利は望めない。
議会との調整では、与党共和党との関係も危うくなる局面が何度もあるだろう。
となると、北朝鮮対応は二の次に。その場しのぎの対応になりかねない。