新型コロナウイルスの影響で、外食する人が減ったり、食のイベントが中止になったりして、行き場を失った食材が増えています。そんな北海道産食材を救おうと、6人の料理人が立ち上がりました。

 ラ・ジョストラ 時崎 仙浩さん:「この農園さんも規格外品が出ているので、それを大量に買う。(農家が)『値段はいくらでもいい、1000円でもいい』と言ったが、それはあまりにもと思い3000円で買った」

 午前0時。人気がなくなった狸小路の一角にある料理店に集まった男たち。

 八木 隆太郎 アナウンサー:「何の集まりですか?」

 ラ・ジョストラ 時崎 仙浩さん:「北海道食材のロスを減らし、換金できない商品を僕たちの手でイタリア料理の商品として全国に発送するためのチーム」

 この店舗でイタリアンバールを営む時崎仙浩さんは6月、仲間たちと新しい会社を設立しました。

 行き場を失った道産食材を調理し、通販サイトで全国の人に食べてもらおうというのです。

 ラ・ジョストラ 時崎 仙浩さん:「イタリア各地方で修行してきたスタッフが集まった」

 新しい会社の名前は「ドディチマー二」。イタリア語で12本の手という意味です。時崎さんを筆頭に、6人の料理人が集まりました。

 ピザ職人の稲船洋行さんに、ソムリエの三浦康弘さん。天然キノコを使ったイタリアンが自慢の田畑肇さん。イタリア・トスカーナ州の伝統料理が得意な奥村雄史さん。道産食材を生かしたイタリアンが定評の田中寿史さん。

 札幌の人気シェフたちが、営業終了後に集まり議論を重ねてきました。

 セミーナ 田中 寿史さん:「新型コロナウイルスの影響でシカ肉など北海道の食材が行き先を失っていたので、それを料理に変えたい」

 日高や函館でとれたシカ肉と、噴火湾産のホタテを使って出品する料理を作ります。アイデアを出し合って調理していきますが、発見の連続だといいます。

 トラッテリア ダ オクムラ 奥村 雄史さん:「同じ食材でも全然違う調理をすることもある。一緒に並んで調理する時、こんな方法もと勉強になる」

 ラ・ジョストラ 時崎 仙浩さん:「プロのアイデアの引き出しの数がすごく多くて、やはりこのチームはおもしろい」

 通販サイトで購入した人が家で温め直して食べることを想定して、少し硬めにゆでるなど調整しています。

 6人の料理人の思いとアイディアが詰まったメニューが完成しました。一体どんな料理なのでしょうか?

 6人の料理人が立ち上げた、北海道産食材を使った料理の通販ショップ。この日の料理はこちらです。

 ホタテと男爵イモを特製発酵バターで焼いた「ホタテとジャガイモのオーブン焼き」。シカのロース肉を塩と香辛料で焼き上げた「エゾシカのタリアータ」。

 八木 隆太郎 アナウンサー:「焼き目も綺麗ですね、上品な赤身の酸味が口に広がります。おいしい」

 セミーナ 田中 寿史さん:「家でそのまま温めるだけ。難しいことは何もない」

 コロナ禍で行き場を失った道産食材を救おうと始まったこの取り組みですが、実はもう一つ切実な理由がありました。それは…

 ラ・ジョストラ 時崎 仙浩さん:「対面接客しながら酒や料理をその場で食べてもらうことが飲食店の本来の醍醐味だったが、新しい形の飲食店経営をしている」

 イタリアの下町風のにぎやかさが売りだった時崎さんの店。新型コロナウイルスの影響で離れた客は完全には戻っていません。

 そこで、席数を17席から10席に減らし、空いたスペースに加工調理用のキッチンや冷凍庫を設置しました。ポスト・コロナを見据え飲食店の在り方を見直したのです。

 ラ・ジョストラ 時崎 仙浩さん:「次から次へと北海道の食材は収穫の時期。おいしいまま自宅に届けるような商品を作っていきたい」