前日夜or当日朝にセックスして検査!

ドラマの中で、奈々(深田恭子)が結果を聞いて安心した「フーナーテスト」。不妊治療の初期段階で行われる、基本的な検査のひとつです。

性交を行ったあと、子宮の入り口の頸管粘液を採取します。そして400倍に拡大できる顕微鏡を使って、運動率の良い精子がどのくらいいるかを調べます。

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「フーナーテスト」は検査を受けるタイミングが重要です。

まず、子宮頸管粘液が妊娠に適した状態になっている排卵直前に行うのが最適です。精子が子宮内にたどりつきやすい状態を作るため、排卵期の粘液は、とろみのあるゼリー状で、量も多くなっているからです。

さらに、性交後は検査まで時間をあけてはいけません。

性交後1日以上過ぎてしまうと膣内の精子は死滅したり、外に流れてしまいます。性交後12時間以内に検査するので、前日の夜に性交した場合は翌日の午前中、検査当日の朝に性交した場合は、その日の午後までには検査を受けましょう。

元気な精子が10個以上なら…!

「フーナーテスト」の判断基準の目安は下記のとおりです。

● 優:15個以上(妊娠率が高い)
● 良:10~14個(妊娠が十分に期待できる)
● 可:5~9個(妊娠が期待できる)
● 不良:4個以下(妊娠の可能性は低い)

ただ最近では、400倍の顕微鏡で見たときに1個でも直進運動精子が存在すれば「異常なし」とする考え方もあります。

「フーナーテスト」の結果が良くない原因として、まず検討されるのが「抗精子抗体」です。「抗精子抗体」があると、精子を異物として排除する作用が働き、精子が子宮に進入出来ないからです。

「抗精子抗体」が継続して強い場合は、直接体液が交わらない受精方法である「体外受精」が必要になる場合があります。

精子の“通り道”は塞がっていないか?

そして奈々が痛みに耐えながら受けた「子宮卵管造影検査」。この検査は、自然妊娠で精子と卵子が出会う場所、“卵管”の通過性を調べる重要な検査です。

もし、左右両方の卵管が閉塞していれば、通常の性交はもとより、人工授精を行っても妊娠は期待できません。

検査の手順は、

(1)腟から子宮内に細いチューブを入れて固定
(2)チューブから造影剤を注入
(3)造影剤が子宮~卵管~お腹(腹腔)に拡がる様子をレントゲン撮影・確認

卵管は長さが約10cmで、直径は細いところで約1mm。造影剤を注入しても、ある部分から先に流れていかないなら、卵管の閉塞や癒着が疑われる訳です。

子宮の内部の形や、卵管周囲の癒着の可能性なども調べることができます。

検査で“卵管そうじ”⇒妊娠率アップ!

実は「子宮卵管造影検査」には、治療的な側面もあります。

卵管が完全に閉塞した場合は別ですが、通りが良くない程度であれば、造影剤を注入したことで通過性が上がり、この検査後に妊娠する場合が多々あります。

また、軽い癒着ならば剥がれてしまうともいわれます。この検査が、「トンネルそうじ」と呼ばれる所以です。

そのため、「子宮卵管造影検査」後の6か月は妊娠のゴールデンタイム、特に最初の3か月に妊娠率が高いことが知られています。

気になる痛みですが、生理痛のような鈍痛だという人もいれば、かなりの激痛だという人もいて、かなりの個人差があります。

また、卵管が狭かったり、詰まっている等では、痛みを強く感じることがあります。造影剤をゆっくり注入することで痛みの軽減をはかったり、痛み止めの座薬を使うこともできます。不安なときには、医師に相談してみましょう。

不妊治療はステップアップしていく

「タイミング法」は、最も妊娠しやすいタイミング(排卵の2日前)に性交を行う不妊治療のファーストステップ。

大器(松山ケンイチ)と奈々も実践中ですが、医師から「20代ではないので、結果が出ない場合は早目に治療をステップアップしましょう」と言われます。「タイミング法」で治療効果が期待できるのは、おおよそ6周期までとされます。

しかし、特に奈々のように女性が30代半ば以上であれば、「タイミング法」を2〜3周期続けても妊娠しない場合は、次のステップ=人工授精の検討が勧められることが多いでしょう。

大器と奈々は、今後人工授精へと進んでいくのでしょうか…。

はるねクリニック銀座 院長清水真弓

『隣の家族は青く見える』公式HP:
http://www.fujitv.co.jp/tonari_no_kazoku/index.html