女性自身と卵子は「同い年」

ドラマ『隣の家族は青く見える』で今回、奈々(深田恭子)は4回目の人工授精にも失敗してしまいました。

奈々は大きなストレスを抱え、情緒も不安定になってしまいます。

確かに不妊治療は、心身に大きな負担となる部分があるのは確かです。しかし、35歳の奈々が本当に妊娠・出産を望むなら、たとえ今は辛くとも、不妊治療をお休みしないほうがいいでしょう。

女性の場合、加齢とともに妊娠の確率は下がっていきます。

その要因のひとつは、卵子の老化です。

実は、女性は生まれた時点で卵巣内にすべての卵子の元がすでに存在しています。

つまり、卵細胞は本人と一緒に年齢を重ねていきます。

「成長につれ、新しい卵子は作られないの?」という疑問が生じると思いますが、実は生まれた後に作られることはないのです。(ちなみに、男性の場合、いくつになっても生涯を通じて、精子は作られ続けます)

だから、卵子と女性自身は「同い年」なのです。35歳の女性の卵子も35歳です。

35歳以上の卵細胞では当然、染色体異常率が上昇します。よって、妊娠・出産に至らないリスクが高くなります。
 

卵子は毎日減り続ける!

 
この記事の画像(3枚)

しかも、卵細胞の数は、どんどん減り続けるのです。

女性は生まれた時点で、卵巣内にすべての卵子の元、約200万個が備わっています。

ところが、月経のはじまる思春期頃までには、約180万個が自然消滅し、約20~30万個にまで減ってしまいます。
そして月経がはじまってからは(排卵される卵は月に1個ですが)、1回の周期で約1000個、1日に換算すると30~40個も減り続けると言われています。

30代半ば以降は、さらに拍車がかかります!

37歳では、約2万5千個にまで減ってしまいます。

つまり、加齢とともに、卵子は少なくなり、老化によって、その質も低下してしまいます。
 

卵子の残存数を知るカンタンな方法

 

自分に今、卵細胞がいくつ残ってるか知る方法があれば、妊活に向けた心の準備も出来ますよね!

実は、簡単に調べる方法があります。

近年、卵子の残存数の目安を調べるAMH検査という検査が取り入れられています。

AMHとは、アンチミュラーリアンホルモンの略で、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。

AMHの値と原始卵胞の数は比例すると考えられています。つまり、卵巣内にどれぐらい卵の数が残っているかを反映するとされているのです。

AMHは血液検査で簡単に調べられますが、保険適用外のため、5,000円~10,000円程度かかります。ほか診察料も必要になります。
 

「残存数」が少ない=妊娠しにくい…ではない!

ただし、AMHは妊娠率を表すのではありません。

AMHの値が高いからと言って、妊娠しやすいという訳ではないのです。あくまでもAMHの値を元にした、卵子の残存数の「予測」です。

卵子の数が少ないということは妊娠率が低くなるということではなく、“残された時間が少ない”、つまり、不妊治療が可能な期間が限られてくる、ということを示しているのです。

よって、「AMHが低いからほとんど妊娠できない」ということではありません。

卵子の質がいいか、順調に育つか=妊娠・出産に至るかは、年齢に最も相関します。同じAMHの値であっても、年齢が高くなればなるほど、妊娠率は低くなります。
 

正しい知識を持って、早目の行動を

男性の場合、女性の卵子の数が減り続けるということを、知らない方がほとんどではないでしょうか?

また、不妊治療をしている女性の中にも、卵子が老化するということを知らなかった人も実は多いのです。

「知っていれば、もっと早く行動できたのに」と悔やむ方もいらっしゃいます。まずは正しい知識を持つこと。

そして不妊治療に取り組む場合は、パートナーと共に早めに始めることが肝要です。
 

はるねクリニック銀座 院長
清水真弓