元気で若い精子を増やせ!

「不妊症の半数は男性側に原因がある」(WHO)。

以前にも記しましたが、妊娠しない原因は男女半々にあります。ですから、妊娠するためには、精子に目を向けてみることも大切です。

『隣の家族は青く見える』の中でも、奈々(深田恭子)の夫・大器(松山ケンイチ)が「よい精子を作る」と言って、いくつかのポイントを挙げていましたね。

女性の腟内に射精された精子は、排卵した卵子と卵管で出会って受精します。

とは言え、数千万から数億個の精子が射精されても、卵子までたどり着けるのは、ごくわずか。そのためにも、元気な精子がたくさんあるのが理想です。

また、精子のDNA損傷は、不妊に密接に関係しています。不妊症患者の精子は酸化ストレスが多く、高度にDNA損傷が起こっているのです。

DNAに傷がついた精子は受精しにくく、妊娠しても流産しやすいのです。

DNA損傷の原因として、老化のストレスである酸化ストレスが関係していることがわかってきました。

つまり、射精した精液の中に、どれだけ元気に動いている精子がいるか、そして老化していない若い精子がいるかが、パートナーを妊娠させるための鍵となります。

「精液を溜める」禁欲は逆効果!

「精子力」を高めるために、毎日の日常生活で出来る7ヵ条を示します。

(1)禁煙  
喫煙による酸化ストレスが、精子のDNAの構造を傷つけることがわかってきました。ペニスの海綿体への血流も悪くなって、EDの原因になることもあります。

(2)禁欲は間違い 
「精子をたくさん溜めてから射精したほうがいいのでは」…は誤解です。

溜められた古い精子は、新しい精子を痛めつけ、精液全体の質を下げます。また、禁欲期間が長すぎると、精子が酸化ストレスを受けるために運動率が低下します。

新しく元気のいい精子が次々と送り出されるほうが妊娠には有利です。マスターベーションでいいので、溜めずに射精することが元気な精子を保つポイントです。

(3)ブリーフよりトランクスを
睾丸がぶらぶらしているのは、熱を上げないようにするため。睾丸の温度が上がると精子を作る機能が低下するからです。

日本人の平均体温は37度前後ですが、精巣の機能を保つには35度が理想的です。

下着は、熱がこもらないようにブリーフより、風通しのよいトランクスを。陰嚢冷却用の下着も発売されています。ぴっちりしたジーンズ等も、長時間はくのは避けるのが無難です。

自転車や育毛剤にも要注意!

(4)長風呂やサウナは控える
精巣の精子をつくる造精機能は、熱にとても弱いのです。サウナ、長風呂は控えましょう。

(5)膝上でPCを使わない
長い時間、膝の上でPCを操作するのも、熱が下半身に伝わりやすいので気をつけましょう。

とにかく熱に注意です。精子というのは非常にデリケートな存在です。「股間は涼しく保つ」と覚えておきましょう。

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(6)自転車に注意
サドルが精巣などを圧迫すると血流が悪くなり、精子の減少や運動率の低下、EDの原因につながります。

長時間乗るときは、股間を保護するようなサドルに変えたり、たびたび腰を浮かせて会陰の血流を確保しましょう。

(7)育毛剤の種類に注意
AGA(男性型脱毛症)の治療薬で、フィナステリドを主成分とする治療薬には注意しましょう。

この薬の成分には男性ホルモンの作用を抑える働きがあり、精液の状態を悪化させる可能性あります。

また副作用として、性欲減退や射精障害、精子数の減少、EDなどが起こることが指摘されています。

妊活は2人で!

これらを守れば完璧というわけではありませんが、妊娠を考えている時期には、意識しておきたい7か条です。

これら以外にも、ドラマで大器が挙げていた、

●規則正しい生活 ●お酒は控えめに…というのも心がけたい点ですね。

男性が自分で出来ることに取り組むことで、男性側の意識の高まりにつながります。妊活は「ふたりで一緒に」の意識が、とても大切です。

はるねクリニック銀座 院長
清水真弓