ライフスタイルの変化に合わせ「おせち」も多様化

2019年も残すところあと1カ月。令和になって初めて迎えるお正月に備え、おせち商戦もたけなわ。
ライフスタイルの変化に合わせ、おせちも多様化している。

西武池袋本店の「脱お重」おせち
西武池袋本店の「脱お重」おせち
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西武池袋本店では、客のニーズに応えようと、少量のものや1人用のおせちに加え、2019年はお重に入れない「脱お重」おせちも登場した。

「分けとく山 野﨑洋光 令和しあわせおせち」(3万2400円)は、48種類の料理を1品ごとに小分けにしたカップおせち。手作りおせちと組み合わせて、自分流にアレンジすることもできる。

「脱お重」は、有名料亭監修の高級おせちだけではない。

ローソンが4日に発表したのは、100円おせちの新商品。定番のかまぼこやだて巻き、黒豆に加え、2019年は32種類を展開している。

ローソンが発表した100円おせち
ローソンが発表した100円おせち

「佃煮を増やしてほしい」という高齢者の声や、「海鮮系やサラダ系を増やしてほしい」という女性の要望に応えた。
32種類を全てそろえても3200円(税別)で、自分の好きなものだけを集めた手軽なおせちも実現できそうだ。

ローソンストア100商品本部・近藤正巳副本部長:
おせち料理は、1人で楽しむのではなく家族で食べるものだったが、(1人だと)気軽に買えないから、やはり単身の方たちに商品の評価をしてほしい。

ローソンストア100商品本部・近藤正巳副本部長
ローソンストア100商品本部・近藤正巳副本部長

令和初のお正月におせちを食べると回答した人は61.2%(20代~60代の男女1000人。楽天調べ)。時代とともに形を変えつつも、おせちの伝統は根強く残っているようだ。

楽天市場が行った「おせちに関する調査」では、中身を一部、または全て購入するという家庭は64.7%。一方、すべて手作り予定の家庭は35.3%となっている。

作る?買う?街の人のおせち事情

不動産関係(20代女性)
家で作ったのと市販の半々ぐらい。煮物は家で作り、かまぼこや伊達巻きは市販です。

主婦(30代女性)
おせちは食べてないです。おせちよりも実家では大晦日にオードブルを作っていたので、珍しいと言われます。

建築系(20代男性)
実家が広島なので、今年も帰って母の作ったおせちを食べようと思います。家だけかもしれませんが、鯛を一匹丸々塩焼きにするのが好きです。

建築系(20代)
建築系(20代)

会社員(50代女性)
おせちはオーダーして取りに行ってます。作ってないです。冷たい物があまり好きではないので。

事務系(20代女性)
おばあちゃんの家で、日本食レストランに頼んで買っています。10人くらい親戚が集まります。競争率が激しいのは数の子。

ーー「私食べていない」と主張することはある?

事務系(20代女性)
強くは言わないですけど、ボソッと「食べてないのにな」みたいなことは言います。

事務系(20代)
事務系(20代)

男性(70代男性)
女房が作ります。おせちはやっぱり風物詩ですよね。日本では忘れちゃいけないものじゃないですか。私も手伝って黒豆を煮る。評判は「バッチグー!」ですよ。

今度のお正月は「おせち回帰元年」

三田友梨佳キャスター:
おせちを作る方、買う方、さまざまな街の意見がありましたが、流通の視点から見るとどうでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
今度のお正月は、おせちの良さが改めて見直される「おせち回帰元年」となります。昨今の人手不足によって、流通や外食産業では年末年始の休業や営業時間の短縮など、一部店舗で実施を打ち出しています。
そこでお正月に買い物やお料理の手間を省けるおせちが見直されて、関連商戦が盛り上がると言われているので、おせちが久しぶりに買われるのではないかと思っています。

渡辺広明氏
渡辺広明氏

三田友梨佳キャスター:
おせちそのものに変化はあるのでしょうか?

渡辺広明氏:
カスタマイズ化が進むと思います。

三田友梨佳キャスター:
つまり、自分の好みに合わせて好きな物を好きな分だけ食べると。

渡辺広明氏:
特に単身者や小人数世帯がとても増えていますので、そこに対応して今後の主流になっていくのではないかと思っています。ローソンは安くて良い商品のノウハウも詰まっていて、おつまみとしてのおせちという新ジャンルとして期待できる思う。

三田友梨佳キャスター:
好きなだけという視点では、フードロスの観点からもいいことですね。お正月の過ごし方も時代と共に変わりつつある中で、おせちも多様化が進みそうです。

(「Live News α」12月4日放送分)