日本が一番居心地良い訪問先

「トランプ大統領にとって日本は居心地が一番良い訪問先になるだろう。」「(日本では)サプライズは無いだろう。」(米外交評議会、シーラ・スミス氏)

日本時間の2日未明にアメリカの外交評議会がプレス向けのテレフォン・コンフェレンスを開催した。テーマはトランプ大統領のアジア歴訪で、出席した日本専門家のシーラ・スミス氏は、日本での居心地が一番良くなる理由として“安倍総理との親密な関係”と“北朝鮮問題での結束の必要性”を挙げた。

日本では松山選手を交えて好きなゴルフをする予定も入っている訳だから、トランプ氏はきっと気分良く次の訪問先・韓国に向かうことになるのだろう。これを日本国民が(特に感情的に)どう受け止めるかは別だが、そうなれば日本政府にとっては訪問成功ということになる。

前打ちと呼ばれる事前原稿を長々と書いても仕方がないのだが、計5カ国を訪問するトランプ氏のアジアの旅は、その前のハワイ訪問も含めると10日程になる。時差も大きいし、70歳過ぎの御仁にはかなり辛いはずである。このうち日本は最初の訪問国であるし、安倍総理との関係も極めて良好のようだから、この日本滞在中は大丈夫だと思うが、期間中、彼がずっと大人しく振舞えるかどうか、実は見物である。

中国との会談結果次第では、癇癪も?

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中国の習近平主席との会談で期待した程の成果を上げられなかった場合等に大統領がツイッター等で何を発信し出すか、米中両国政府の関係者は今からひやひやしていても不思議ではない。いわゆるロシア・ゲート絡みの本国での新たな動きや報道次第でも、彼が癇癪を起こす可能性は高い。マニアックかもしれないが、彼のアジア歴訪が注目される所以の一つである。

焦点の北朝鮮問題では、中国からさらに影響力を行使する約束を取り付けられるかどうか・・・。ご存知のように、彼の国は極端に面子を重んじる。よって“トランプに屈して北朝鮮への圧力を強めた”という形には絶対にしないと思うが、表向きの発表はともかく、米中首脳会談の後、中国が実際にどのような行動を取り始めるか、それとも否か、に筆者は注目している。

外交評議会のテレフォン・カンファレンスに出席した中国専門家、エリザベス・エコノミー氏によると「トランプ政権は、石油もしくはファイナンス関係で、中国が新たな独自制裁措置を執ってくれることを望んでいる。」そうだが、万が一、まるで何も手土産が無かったら、アメリカは、中国の金融機関などに対する二次制裁を発動したり、北朝鮮への軍事面での圧力をさらに高めることになるかも知れない。

「THAADミサイルは在韓米軍を守るのが一義的な役割」

韓国訪問中には、トランプ大統領は、当初取沙汰されていた板門店訪問の代わりに、ヘリで上空から非武装地帯を眺望することになると言われている。そうならば南北の境が首都ソウルにいかに近いか、目の当たりにすることになる。
韓国政府は、一方的な軍事力行使をすることが無いよう、トランプ氏に直接釘を刺したいところであろう。しかし、だからと言って、北朝鮮に甘い顔を見せる訳にもいかない。簡単ではないが、毅然としたところをしっかり見せて欲しいと思う。

ちなみに、このカンファレンスで、韓国専門家は「THAADミサイルは、韓国国民を守るように配備される訳ではない。万が一の事態の時に北の攻勢を撃退する役目を持つ在韓米軍を守るのが一義的な役割である。」(旨)を率直に明らかにしていた。(日本でも、PAC3は総理官邸や防衛省など重要施設を守るために配備されている。東京を丸ごと守る能力は無い。)

このプレス向けテレフォン・カンファンレンスでも切迫感は全く感じられなかった。北朝鮮が新たな挑発に出てくる可能性はもちろん否定できないし、偶発的に不測の事態が起きる可能性をゼロと断言するつもりは毛頭無いが、北朝鮮問題を巡る外交は、このトランプ大統領のアジア歴訪で大きな山を迎えることになる。