能登半島地震から3カ月が経ちました。
復旧、復興に向けた動きを取材しお伝えします。
石川県境に近い氷見市の小さな集落。
地震発生後、自主避難所を開設し住民が助け合いながら生活を送りましたが、家屋の被害が大きく住民が離れたまま戻らない事態が続いています。

氷見市の北部、姿地区。
先月30日、道を塞いでいた納屋を公費で、解体、撤去する作業が始まりました。

*リポート
「こちらでは、重機を使って壊れた建物の屋根を取り除く作業が行われています」

この日、作業を見守っていたのは区長の山本譲治さんです。
多くの家屋が倒壊、手つかずの状態が続き、住民が地区を離れていく現状をずっと案じてきました。

*姿地区区長 山本譲治さん
「これで3カ月たつが、やっと解体してくれることになったので、地区外へ避難している人も(道が通れるようになり)大きいタンスなど出すことができるようになる。(道を塞いでいた建物の)奥にも高齢者宅があるので、緊急車両が通れるようにしたい」

山本さんは、地震発生直後に自主避難所の開設を決断し、地区の住民は、3週間あまり助け合いながら避難生活を送りました。
一方で、倒壊した家屋や納屋は、解体、撤去が進まず、次々と住民が地区を離れていきました。

2月下旬、地震発生から2カ月近く経っても、損壊したほとんどの建物は手つかずのままでした。
姿地区で、半壊以上の判定を受けた建物は21棟。
自主避難所となっていた集会所も閉鎖され、57世帯のうち、15世帯ほどが地区を離れました。

*姿地区区長 山本譲治さん
「ここが全壊の家だが、これも2カ月ほどになるが、だんだんこちらの方へ屋根がずれていっている。日が経てば状況も変わってくる」

山本さんは、倒壊した建物の解体が進まないことが、住民が戻らず、復旧の妨げになっていると感じていました。

*姿地区区長 山本譲治さん
「皆さんここを生活の道として使っているので、早く開けてほしいと市に要望しても、なかなか進まない」

地区を離れた住民が再び戻ってこられるように…。
そう願い、山本さんは、日々活動を続けています。

*姿地区区長 山本譲治さん
「何軒の方が、ここに帰ってこられるか把握していないので、それを取りまとめて市にも要望できると思う。避難した人がここに戻ってきてくれるのが一番いいが、高齢の方もいるので…」

地震から3カ月…。
姿地区で、ようやく始まった公費による建物の解体。
作業には、倒壊した納屋の所有者も立ち合いました。

*解体した建物の所有者
「ようやく春が来て、農作業が始められる。何とか平常に戻っていくかな」

再生に向け、ようやく動き出した姿地区。
安堵の一方で、山本さんは複雑な思いも覗かせました。

*姿地区区長 山本譲治さん
「だんだん風景が変わっていくと思う。この一帯が解体するようになったら。自分もここに六十数年住んでいるが見慣れた風景が変わるのでさみしい思いがある」

震災がもたらした「爪痕」。
それを乗り越えるため、変わって行く風景。
復旧、復興に向け、長く険しい道が続きます。

震災後、住民が離れ、地区が廃れていくケースは全国でみられます。
そうした難局をどう克服していくのか、住民を呼び戻す、再生に向けた取り組みが求められています。

氷見市では、先月28日時点で207件の公費解体の申し込みがあります。
また公費解体の対象となる建物が900件を超え、入札による解体業者の選定などもあり、本格的な解体は5月以降になるとみられています。

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。