3月27日は「さくらの日」。愛媛・松山市や福岡市ではその日に桜の開花が発表され、列島が開花ラッシュに突入。一方、開花宣言が遅れている東京では、飲食店や人力車の仕事に“サクラショック”の影響が出ていた。

2021年3月26日の目黒川は満開だった

東京の桜スポット・目黒川では、27日午前11時半頃の時点で、桜を見上げてもほとんど蕾ばかり。

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日本気象協会が3月6日に発表した東京の開花予想は3月19日。
都心の27日の最高気温は26日よりも4℃以上高い16.5℃まで上昇し、開花が期待されたが発表はなかった。

2021年3月26日の目黒川は桜が満開だった。

2024年3月27日の目黒川。桜はほぼ咲いていない。
2024年3月27日の目黒川。桜はほぼ咲いていない。

例年であれば、既に見頃を迎えているはずの目黒川もほぼ“ゼロ分咲き”だ。

“サクラショック”の影響は飲食店にも

開花が遅れている影響で起きているのが、“サクラショック”だ。

例年、目黒川沿いは花見客でごった返しているが、27日は閑散としていて、桜を見ながらジンギスカンが楽しめると人気の店「中目黒ひつじ目黒川店」も、大賑わいとはなっていない。

花見客を見込んで、22日(土)からラム肉を使用した串焼きの店頭販売を始めているが、在庫がなかなか減らない状況だ。

店内の冷蔵庫をのぞくと、保管している食材で満杯になっていたが、ピーク時なら1日で空っぽになる量だという。この状況に中目黒ひつじ目黒川店の西原宏視店長も「なるべく早く使いたいですね」と本音を漏らした。

今週入っていた予約も、開花が遅れた影響で来週への変更が相次いだという。

西原店長は「準備も人も整っているので、あとはもう早く咲いてほしい。今日咲いてくれって感じです」と祈るばかりだ。

“サクラショック”は、東京・浅草周辺を熟知する人力車の仕事にも及んでいる。

スカイツリーと桜の両方を撮影できるスポットでも、桜はまだ咲いていなかった。仲間同士で桜スポットの情報交換をしてはいるものの、今は早咲きの桜も見頃が過ぎてしまっているという。

この状況に「えびす屋」の車夫・天野早一朗さんも、「今は正直、自分たちのほうで一番推せるポイントがあまりない…。もうちょっと早くソメイヨシノには開花してほしい」という心境だ。

日本気象協会によると、東京の開花予想日は29日(金)で、さらに週末は夏日に迫る暖かさとなり、開花が一気に進みそうだ。
(「イット!」 3月27日放送より)