新潟の長時間労働は長年深刻な課題

2018年1月 新潟県の教育庁に努める女性職員が勤務中に倒れて亡くなった。
亡くなる前月の残業時間は“過労死ライン”を超える125時間だった。
これを受け、新潟県は働き方改革プロジェクトチームを発足させた。
厚生労働省による調査でも新潟県の平均労働時間は過去長年にわたり全国平均を上回っている

“カエル”で生産性アップ!

そんな中、長岡市で経営コンサルティング会社 エム エスオフィスでは、従業員のデスクの上に“カエル”札が掲げられている。「この時間に私は帰ります」と、帰宅時間を宣言しているカード。
併せてこの会社では“集中カード”制度も併用している。

これらのカードの効果について、社長の笠原廣さんはこう語る
「自分で宣言した時間までに、集中して効率的に仕事し各人が時間を上手に使っていこうという意識で取り組むので生産性が高まる」

これらの制度の実施により、従業員の「都合」がお互いに可視化できるようになり、同僚に仕事の頼みごとをする際の気遣いなど、“おもいやり”精神が社内に芽生えてきたという。

更にこの会社ではカード以外にも、キッズルームの創設や週に2回の一斉退社日を設けており
労働時間を削減するとともに、働きやすい環境づくりに取り組んでいる。

これらの取り組みを自社のホームページで紹介したところ、昨年と比べて求人に対する応募が3割も増えたという。
全国的に人手不足が叫ばれる中、笠原社長は、働きやすい職場環境を整えないと企業は生き残っていけないのではないかと痛感している。

ホワイト建設現場に、ポイント制度導入も…

深刻な人手不足に悩む建設業界
担い手の確保に向け、今までも「お仕事体験会」を開くなどあの手この手で躍起になってますが
なかなか若手技術者が入ってこないのが現状です。
敬遠される背景には労働時間が長いことがあります。

そこで新潟県は「週休2日取得モデル工事」制度を導入。
この制度に指定されると、工事期間中の週休2日の達成度に応じて、県が工事の成績に加点。
点数が高いとその業者にとって、今後の工事の受注に有利に働く制度。
新潟県はこの制度の対象となる工事を増やそうとしています。

良い制度と思いきや、現場には現場の思惑が…

労働時間を減らし人材確保を目指す制度ですが、すんなりと浸透するわけではないようだ。
そこには雪国ならではの事情が…

新潟では外で作業が思うようにできなくなる前に、工事を終わらせたい。
そうなると、雪のない季節に詰めてスケジュールを組まなければならない。
そういった事情で、なかなか週休2日休むわけには行かないという。
更に、建設業界ならではの構造上の問題も・・・

建設業界では、現在でも、下請け業者に作業を委託する慣習がある。
下請け業者は働いた分だけ給料に反映される賃金制度が根強く残っており
休みが増えると作業者の年収が減ってしまい、それを嫌う労働者も多い。

建設現場を真の“ホワイト”職場に変えるためには?

元請業者は、建設現場を“ホワイト”2つのことが重要であると語る。
一つ目は、工事の発注者が週休二日体制でも完成するような余裕のある工期日程を組むこと
もう一つには、現場の人々が年収ベースで収入が下がらない制度の導入が必要。

長時間労働の是正に向け、今後の新潟県の取り組みが注目される。