BEAMSのTシャツに“パクリ騒疑惑”が勃発
先週、イラストレーターの高旗将雄さんが、「たまたま入ったビームスで超良い物見つけちゃった」と、ツイートしたことが「BEAMSパクリ疑惑」に発展、インターネット上で物議をかもした。
高旗さんは、神奈川県在住で、趣味は郷土玩具集め、銭湯とシルクスクリーンと宇宙開発を愛するイラストレーター。
そんな高旗さんが、アパレル大手BEAMS(ビームス)で見つけて購入した“超良い物”とは、クマの絵が描かれたTシャツだった。

購入したTシャツの写真をツイッターに投稿した高旗さんは、続けて、「さっきのTシャツとは全然関係ない、5年ほど前の僕の絵なのですが」と、自身が過去にデザインした“クマ”のイラストを公開。

ここで、BEAMSで購入したTシャツのクマと高旗氏がデザインしたクマ、“2匹のクマ”がソックリに見えることが判明。
本人も「マジかBEAMS!!」と両イラストの比較検証を開始、2つの“クマ”を重ね合わせて、一致している画像まで公開し、BEAMS側が自分のイラストをトレースした疑いがあることを指摘した。
この“BEAMSパクリ疑惑”にツイッターユーザーもすぐさま反応。
「BEAMSやらかしよったな」
「BEAMSよ、なぜバレないと思ったのか」といった非難の声が寄せられた。
法律的な問題点は?
企業法務を専門とする虎門中央法律事務所の高橋泰史弁護士によると、
「投稿されている経緯が仮に事実だとすれば、2つのイラストの共通部分に、どの程度、表現上の本質的部分が含まれているかということが違法な著作権侵害にあたるか否かの判断のポイントとなります。その評価については、フォロワーの反応も1つの参考とすることができるのではないでしょうか。なお、著作権侵害行為は、著作権者による損害賠償や刑事罰の対象となる場合があります」
と問題点を指摘する。
高旗さんの対応に賞賛
今後の対応として「法的措置等を取るのか?」と思われたが、この後、高旗さんは「別に僕は全く怒ってないです」と冷静沈着なコメントを投稿。
さらには、BEAMSが販売していた“クマ”Tシャツを10枚以上購入し、元々あった背景や小道具などを追加印刷して、自分の“クマ”のデザインに寄せる”コラボTシャツ”を作る、と宣言するなどユーモアを見せた。
これには、「コラボTシャツ買いたい!」「本家にお金を落としたい」など高旗さんを応援するコメントが続々寄せられた。
事実関係をBEAMSに聞くと・・・
この騒動にBEAMS側はどのような見解を発表するのか?
27日の時点で、BEAMS広報に一連の騒動について問い合わせしてみると
「現在事実確認中です」
との回答だったが、同日夜、公式コメントがホームページに掲載された。

4月27日夜、BEAMSは企業サイト上で重要なお知らせを掲載して、状況を説明した。
Tシャツ製作に関わる社内外の関係者に確認したところ、デザインを委託したデザイナー本人が、高旗さんの作品に「覚えがある」と認めたとして、高旗さんに謝罪の連絡をしたことを明らかにした。
さらに、第三者の作品と酷似したことに気付かなかった管理体制の不備を認め、再発防止に努めるとコメントした。
高旗さんコメント
一方の高旗さんに連絡を取り、話を聞いてみると
「BEAMSさんにとっては痛手であると思いますので、できれば前向きに事が進むことを僕としては願っております」
とあくまでBEAMS側を気遣っていた。

まさに“神対応”を見せた高旗さん。
彼が言うようにBEAMSで新たにコラボTシャツでも販売すれば面白い。
不寛容な世の中になった昨今で、久しぶりに清々しい結末を迎えた“BEAMSパクリ騒動”。
さらなる展開が今後あるのか注目していきたい。
この1週間の注目ワードは?

平昌五輪男子フィギュアで金メダルを獲得した「羽生結弦」選手。
22日(日)に仙台で凱旋パレードが行われ、注目を集めた。
翌23日(月)は、2016年11月に当時30代の女性が不妊治療手術後に死亡する事故があり、警察が院長ら3人を業務上過失致死の疑いで書類送検する方針を固めたという報道から、病院名である福岡・北九州市の「セントマザー産婦人科医院」が検索ワードで急上昇。
24日(火)~26日(木)にかけては、25日発売の週刊文春が報じた「林文科相が白昼通う“セクシー個室”ヨガ」という記事から、当該ヨガスタジオが注目を浴び、「キャバクラヨガ」や「個室ヨガ」、スタジオ代表の「庄司ゆうこ」さんといったワードがランキングに並んだ。
渦中の庄司氏は、最初に報道が出た24日の夜の時点で、公式ブログやSNSを通して文春の報道内容を完全否定。
25日朝に放送された『めざましテレビ』でもインタビュー映像で登場、件(くだん)のヨガレッスンと個室マッサージについて詳しく説明することで、文春報道で受けた”怪しいヨガスタジオ”という当初の誤解を払しょくした。

25日(水)以降は、TOKIOの「山口達也」メンバーが強制わいせつの疑いで書類送検されていた事案(その後、示談成立)が日本中の話題をさらう。
本人の謝罪会見後、インターネット上では、罪を糾弾するコメントが多数を占めたが、「アルコール依存症」にも注目が集まり、“家族や周囲の人がサポートしないと治療は困難だけど頑張ってほしい”といった応援コメントも見受けられたのが印象的だった。
(ネット取材部デスク 瀧澤航一郎)