民主党・民進党を体現する岡田氏も新党不参加のワケ

民進党と希望の党は4月26日、新党「国民民主党」を5月7日に結成することで正式合意した。略称は「国民党」。奇しくも台湾で与党・民進党に対抗する国民党と同じ名前だ。

民進党の大塚耕平代表は「ゼロからの出発だ。国民の信頼を得られるように頑張る」と強調したが、肝心の議員の支持に広がりを欠き、しかも民進党の閣僚経験者が相次いで不参加を表明しているのだ。

民進党に所属し、衆議院の会派「無所属の会」の代表を務める岡田克也氏は、4月27日に国会内で会見し、国民民主党に参加せず、民進党を離党する意向を大塚代表に伝えたことを明らかにした。岡田氏の「離党」は、新党への移行や解党の場合を別にすれば、1993年に自民党を離れた時以来となる。

「望むわけではない。非常に残念だが、参加しない以上、その選択を取らざるを得ない」


岡田克也氏
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岡田氏は1998年の民主党結党に参加して以来、在籍し続けた党を離れる悔しさをにじませた。民主党時代には代表を2回、幹事長を3回、さらに民進党の初代代表も務めるなど、まさに党を体現する人物だ。
また岡田氏は、先の衆議院選挙で党が三分裂したことについて、「20年間やってきたことの結果がこれか、というのは無念でならない」と語った。

岡田氏が国民民主党に参加しない理由は何か?

岡田氏は「手法が違う」と述べた。「参議院選挙、統一地方選挙までは時間があるので、もう少し時間をかけて大きな塊をつくるべきだ、立憲民主党との距離を縮めることが必要と思った」とした上で、「まず新しい党をつくろうというのが執行部の考えだった。決定に異論はない。目標は同じだが、手法は違う。山を登る道が違うということだ」と主張した。
今後、無所属で活動する岡田氏は、「立憲民主党と、国民民主党の距離を縮める努力をするのが、私の役割だ」と野党結集の『橋渡し役』になる考えを示した。また、自身を中心とした新党結成の可能性については「選択肢は排除するものではないが、現時点では考えていない」と述べた。

安住・玄葉・野田・小川…止まらない離党の動き

安住淳元財務相も4月27日会見し、新党への不参加を表明した。その口から飛び出したのは、いかにも安住氏らしい新党結成への容赦ない批判だった。

「国会がこんな時に、新党協議にうつつを抜かすようなリーダー、センスないよね。野党が今こそ政府に対してチェック機能を果たすべき時に、新党づくりにうつつを抜かしている感覚が理解できない

安住淳氏

安住氏は当面は無所属で活動するとした上で、「リアリズムに立って大きな塊を作るには譲り合いながら大きくしていくしかない」と述べ、立憲民主党と連携していく姿勢を示した。

さらに玄葉光一郎元外相も会見を開き、「政権奪取するつもりのない野党に身を置きたいとは思っていない」として、無所属で活動する意向を示した。
野田佳彦元首相も新党不参加の意向を周辺に伝えているほか、民進党の参院議員会長を務める小川敏夫元法相にいたっては、離党後に立憲民主党に入党する考えを示した。

希望の党から新党不参加の細野・長島氏は「与党化」へ?

一方の希望の党では、結党メンバーである細野元環境相がすでに不参加を表明していたが、政調会長を務めていた長島昭久元防衛副大臣も4月25日、「去年4月に(民進党を)離党して、元のさやに戻るのは納得しがたいし、説明が付かない」として新党に参加しない意向を示した。

そして細野・長島両氏は27日、国会審議欠席を続ける党の決定に反して衆議院本会議に出席し、野党の今の国会での姿勢に苦言を呈した。


4月27日 本会議場に姿をみせた細野豪志氏

細野氏「今の国会の状況は与党も野党ももう少し危機感を持つべきだ。野党も何らかの建設的な提案をすべきと、党内でもずっと言ってきたが動かなかった」

長島氏「審議拒否というやり方は、一定程度は理解を得られると思うが、せいぜい一週間と言うのがこれまでの相場だ。本来は場外乱闘ではなく審議を通じて政府をただしていくべき」

両氏は、当面無所属で活動していく方針だが、安全保障政策に関しては自民党と考えが近いことから、将来的に自民党入りを視野に入れているのではないかとの憶測も広がっている。
実際、立憲民主党の枝野代表は、細野・長島両氏の行動について「本会議に出た方は与党ということでしょう」と切り捨てた。両氏については、自民党の幹部が触手を伸ばしているとの指摘もあり、今後の動向が注目される。

長島昭久氏

「国民民主党」は大物不在 参加率は6~7割の厳しい船出

このように新党不参加の動きが相次いだことで、民進・希望の両党の所属国会議員100人余りのうち、国民民主党の結党に参加するのは6~7割程度にとどまる見通しだ
つまり民進・希望両党の議員は

1 「国民民主党」に参加
2 分党された新たな「希望の党」に参加
3 立憲民主党に合流
4 無所属で活動

と4分裂することになる。
結果として、閣僚経験者で国民民主党に参加するのは、平野元官房長官、羽田元国交相、古川元国家戦略相、そして去年この再編劇の原因を作り出した前原元外相らにとどまると見られる。
新党に参加する議員の一人は「この合流は失敗だ。岡田さんや野田さんが一緒じゃないと意味がない」と漏らす。もっとも、大物が参加しないから未来が見えないのか、未来が見えないから大物が参加しないのかという、ニワトリと卵のような話なのだが、その両方が真実なのかもしれない。
大物は不在、野党第一党である立憲民主党との連携の道筋も見えずと、不安を抱えての出発になる国民民主党。その前途はいばらの道となりそうだ。


(政治部 野党担当 大築紅葉)