「自衛隊LIFEHACK CHANNEL」

自衛隊がYouTube上で運営しているアカウント「自衛官募集チャンネル」の中の、「自衛隊LIFEHACK CHANNEL」が、ちょっとした話題になっているのをご存知だろうか。

2017年7月から動画投稿を開始し、「危機管理のプロである自衛隊に伝わるノウハウを災害や事故の時のお役立ち知識へ。」という謳い文句で、動画はどれも、30秒~1分ぐらいの見やすい長さになっている。
夏篇→秋篇→冬篇→春篇と季節ごとにアップされ、迷彩服を着用した自衛隊員が演者として出てくることもあれば、イラストやアニメーションだけで完結するものもあって、子供でも見やすい内容で、5月11日現在、45本もの動画が公開されている。

興味深いのはその幅広い内容。
「災害や事故の時のお役立ち知識」ということで、「けが人の運び方」(春篇)や「上着で担架を作る方法」(夏篇)といった、いかにも自衛隊らしいものだけではないのだ。

崩れにくい段ボールの積み方」「ブーツをピカピカにする方」(春篇)
足まめのつぶし方」(夏篇)
運動会で勝ち抜く方」「静電気でピリッとくるやつを防ぐ方」(秋篇)
使い捨てカイロを使い捨てで終わらせない方」(冬篇)
など、緊急時でなくても使えそうな興味をそそられるラインアップの数々。

サメに遭遇したら?

そして、話題になっている動画の一つが春篇に収められた「サメに遭遇したら?」。

恐らく大多数の人が、これまでの人生においてサメに遭遇したことはないだろうし、この先も自分がサメと出会うシーンなど想像できないだろう。
実際に、動画内でも冒頭から「あまりあることではありませんが」と前置きを述べている。ただ、自衛隊内ではサメと出くわした際の訓練も行っているとのことで、どんな内容なのか気になる。

動画ではサメの対処法として、サメは大きな音を嫌がるので、まず第一に大きな音をたてることとある。海面を強く叩く、あるいは、水面に口をつけて大声で叫ぶのも有効とか。
その対処法を紹介した最後の画面では、逃げていくサメと反対方向へ泳ぐ人の姿が描かれたイラストで「サメのいる海域では十分に気をつけて、海のレジャーをお楽しみください」と締めくくっている。

水面で大声で叫ぶ余裕あるかな…など思うことは様々あれど、“サメは大きな音が苦手”ということは覚えておこう。

3段階で教える“寒さから自衛する方法”

もう一つご紹介したいのがこちら「寒さから自衛する方法」(冬篇)だ。
吹雪吹き荒れる中、長時間での野外警備をすることもある自衛隊、寒さの対処法は奥が深いようで、3つもの動画に分けて3種類の方法を解説している。

1. 自衛隊式!寒さから自衛する方法“カッパ”
2. 自衛隊式!寒さから自衛する方法“乾布摩擦”
3. 究極!寒さから自衛する方法“筋トレ”


1本目は、100円均一ショップで購入できるビニールカッパを中に着込むことで、サウナスーツ効果を得て暖かいというもの。2本目、海上自衛隊幹部候補生は毎日必ずやっているという、乾布摩擦。Tシャツの上からでも効果があるらしい。
そして、最後3本目が“究極!”と銘打っている、まさかの筋トレだ。

雪降る中、裸で腕立て伏せをしながら笑顔で「筋肉があれば、寒くない!」と口にしているが、YouTube上に寄せられているコメントを見てみると

・立ってる人が一番キツそう
・耐寒方法が力技過ぎて草
・筋トレはわかるが雪の中、外でやる必要ないだろw
・なんで脱ぐ必要があるんですか


など、思い思いのツッコミが入れられている。
こんなツッコミどころ満載の動画の数々について、防衛省陸上幕僚監部の林田さんにお話を聞いてみた。

担当者に聞いてみた

ーーこの動画を制作・公開した理由は?

「守りたいものを、守れる人に。」というテーマで行なっている2017年度、陸海空自衛官募集広報活動の一環で、「自衛隊に伝わるいざというとき知っておくと役立つ知識やノウハウの数々を、動画でわかりやすい知識として紹介する」ことにより、いざという時、人の役に立てるように日々、訓練を積む自衛官の存在を、もっと身近に感じてもらうために制作・公開しています。


ーー動画内のナレーションがすごくいい声だが、自衛官の方?

自衛官ではありません。広告代理店が選定した方です。


ーー「サメに遭遇したら?」というケースを取り上げたのはなぜ?

海水浴やダイビングなど、海のレジャーでサメに遭遇する可能性が、少ないとは言え、あるからです。

ーー「水中で大声を出す」というのは実体験?

潜水員等に古くから知識として伝えられいるものであり、過去に実体験した隊員がいるかどうかは不明です。また、実際の訓練科目として、「水中で大声を出す」という科目はありませんが、潜水員等に古くから知識として伝えられています。


ーー寒さから自衛する究極の方法として、筋トレで降雪の中での裸腕立ては、さすがに危険では?

陸上自衛隊や海上自衛隊の幹部候補生学校では、季節を問わず、起床時の点呼(人員確認)の際、上半身裸(男性のみ)で筋トレ等を行っております。ただし、時間にして約5分程度であること、また、教官が安全係として勤務しておりますので、危険のないように実施しています。


ーー動画の反響は?


昨年の夏から順次、夏編、秋編、冬編、春編を公開しておりますが、特に冬編においては各種メディアで取り上げて頂き、話題となっていると認識しています。

また、LIFEHACKは、YouTubeに開設した「自衛官募集チャンネル」又は防衛省の「自衛官募集ホームページ」で閲覧ができますが、YouTubeでの閲覧回数は合計で100万回を超え、自衛官募集ホームページのアクセス数は、平成28年度に比し、約3倍に増加しています。(多い月で約250万アクセス)

今後も、LIFEHACK CHANNEL SEASON2として動画を公開しますので、是非ご覧ください。


災害時だけでなく、様々な場面で使えそうな対処法の数々を動画で学び、そして、ちょっと遊び心のある動画を作る自衛隊に親近感もわく。SEASON2も楽しみだ。