ハラスメント疑惑に揺れる福岡・宮若市の塩川秀敏市長(75)を巡る新たな問題。市の職員へのアンケートで全体の約6割、実に100人以上の職員が「市長のハラスメントを経験した」と答えていたことが分かった。

“ハラスメント発言”の塩川市長

ハラスメント疑惑に揺れる福岡・宮若市の塩川秀敏市長(75)を巡る新たな問題が浮き彫りに…。問題の舞台となっているのは、福岡市と北九州市の中間に位置する人口約2万6,000人の宮若市だ。

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塩川市長といえば、2023年4月、公用車の中で、塩川市長が職員を怒鳴りつける様子をドライブレコーダーでの発言が問題視されていた。

ドライブレコーダー映像(2023年4月)
市長「はじめてじゃ、ここに連れて来てから、そんなの」
運転手「やはりこう…、なんていうんですかね、運転手としていったら…、すみません」
市長「運転手やったら自分のスマホ見るんか!すみませんで済むか!」

関係者によると、随行役兼運転手として一緒にいた市職員が、市長と市長の知人との会話に加わらなかったことに対して叱責したという。

このほか市長は、適応障害の診断を受けた若手の職員に対して「病人の目はしていない」と発言するなど、度重なる不適切発言が問題視されている。

2023年12月には、女性職員に対して「女は子どもを産んで初めて女になる!」という女性蔑視とも取れる発言が指摘され、釈明会見を開く事態に―。

宮若市・塩川秀敏市長(記者会見2023年12月20日):
相手の人がそういうことに取られたなら、私が「すみませんでした」って言うしかないでしょ?

差別やセクハラともとれる内容多数

議会の百条委員会が疑惑の調査に乗り出す中、新たな展開があった。

今回、明らかになったのは、あるアンケートの存在だ。関係者によると、問題を重く見た市職員の労働組合が2023年12月、237人の全職員を対象に大規模なアンケートを実施した。その中で、全体の約6割、実に100人以上の職員が「市長によるハラスメントを受けた。もしくは、見聞きした」と答えていたことが分かったのだ。

アンケートには、さらなる女性蔑視とも取れる、新しい証言があった。

宮若市・塩川秀敏市長発言(取材メモより):
「女性は子どもを3人産んで、初めて一人前!」

発言は、子育て政策に関する会議でのことだったという。会議での市長発言を聞いたという職員が、取材に応じた。

会議での市長発言を聞いたという男性職員:
「子どもは3人産んで育てて一人前なんだ」」という話をよくしていたので、子どもを欲しくてもなかなか授からない方々がたくさんいらっしゃる中で、本当に失礼な発言だなというふうにしか思いません。

さらに、アンケートでは別の新証言も出てきた。「政策部署に女性は要らない!」や「子どもがいないから、親の気持ちが分からんだろう」などと市長は発言したという。また、別の女性職員には「あなたが温泉モデルになったら良かったのに」と声をかけたとも。市長の発言には、女性差別やセクハラとも取れる内容が数多く含まれている。

会議での市長発言を聞いたという男性職員:
(市長に)関わった職員は必ずハラスメントを受けていると思います。首長の資格は全くないと思っているので、即刻辞任をしていただきたいと思っています。

結果についてどう釈明するのか

新たな展開を塩川市長はどう受け止めるのかー。その日(2024年1月16日)の朝、記者が市長を直撃した。

記者「アンケート結果について内容を知っていますか?」
塩川市長「いえ、知りません」

記者「市職員の6割、100人以上が市長によるハラスメントを経験したと答えています。半数以上です。この数字をどう受け止めますか?」
塩川市長「数字とかは全然、見てないんですけど。どれぐらいの方にアンケートを取ったとか…」

記者「新しい証言として、市長が「女性は子どもを3人産んで初めて一人前」と発言したという証言が複数あります。これは事実ですか?」
塩川市長「それはちょっと…、分かりません。急に言われても!いつ、何を言ったかは記憶してないですし…」

そして、アンケート結果を受けた進退については、「進退については、まだ全然、そういうことは考えていません。これから百条委員会が、全然、開かれていないし、そこで真摯に答えさせてもらいたいなと思っております」と語った。

これまでは、一部の職員の証言や部分的な聞き取りだったが、今回は市役所全体の大規模なアンケート。この結果が、今後の動きを左右する可能性がある。

議会の百条委員会が市長を証人喚問する見通しで、そこでアンケートの結果について、どう釈明するかが焦点となる。

(テレビ西日本)

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