「Go To トラベル」の詳細発表

「Go To トラベルキャンペーン」。
埼玉の人が、東京駅を利用して遠方に出掛ける場合はどうなるのかなど、その詳細が明らかになった。

赤羽国交相:
東京都民の皆さまが楽しみにしていた旅行が、この事業を使っての旅行ができなくなるとか、大変、断腸の思いで決定をした

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都民の利用や都内への旅行が対象から外れた「Go To トラベルキャンペーン」。
17日、その詳細が発表された。

ポイントは、東京を目的地とする旅行はNG。
東京を経由する旅行はOKというもの。

例えば、近隣の神奈川県や千葉県民などが、東京の羽田空港を利用して地方へ旅行する。逆に、全国から羽田空港を利用して、東京近隣の県へ旅行する場合は、キャンペーンの対象となる。
東京駅や品川駅の新幹線を利用する場合も同じ。

一方、千葉県などのホテルに宿泊してから、スカイツリーなどの都内の観光地へ行くツアーは対象外となる。

ただ、個人で神奈川県や千葉県のホテルに宿泊して都内を観光する場合は、ホテル代金が割引の対象になり、観光庁は、個人の旅行は追い切れないと思うとしている。

修学旅行を除いた若者や重症化しやすい高齢者の団体旅行は、対象から除外される可能性があるが、最終的な結論には至っていない。

また、旅行者の住所確認などは免許証などで行うが、虚偽の申告をした場合は、倍の代金の返金を求める罰則を検討。
割引をあてにしていた予約者がキャンセルする場合のキャンセル料については、政府は補償しないとしている。

旅行会社や宿泊施設の声

都内の旅行会社には、すでに予約のキャンセルが相次ぎ、対応に追われていた。

飛鳥旅行・村山吉三郎社長:
活性化を図るための一つの道として、すごく期待を抱いていたのは事実

兵庫県の有馬温泉では...。

有馬温泉「欽山」・小山嘉昭代表取締役社長:
高齢者ダメとか若年者の団体ダメとか、どの線引きなのか、その辺も考えてもらわないと現場が混乱する。
きちっと明確に通知してほしい

欽山では、客のおよそ1割が東京からということで、東京除外の影響がすでに出始めている。

有馬温泉「欽山」・小山代表取締役社長:
昨日の発表のあとに2件、東京のお客さまからキャンセルの申し出があった。
自分たちが東京から旅行することが心苦しいと

西村経済再生担当相は17日夜、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の各知事とテレビ会議。
キャンペーン実施についても意見交換した。

直前の方針変更について、小池都知事は、
キャンセルに関して都民からの問い合わせを多数いただいて、これから出かけようと予定していた方々からすれば「じゃあどうすればいいの?」というのは当然の戸惑いだと思う。
(国で)整理していくという話だったが、担当が国交省だということで、ちょっと間接的なお答えだったような気がします

首都圏を中心に感染が拡大する中で始まるGo Toキャンペーン。
政府と1都3県のさらなる連携が求められている。

withコロナ社会の「休暇」とは

内田嶺衣奈キャスター:
Go Toトラベルキャンペーンから東京を除外することになり、様々な反応がありましたが、松江さんはどのようにご覧になりますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
全国一律にとか、同じタイミングで一斉に、こういった解決策というのはなかなか難しい。
もう限界に来ているのかなという印象を持ちました。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
今まで夏休みといえば一斉に全国を旅行する。
また観光業の方々もそこを頼りにしている。
年間の大半の売り上げをそこで上げる。
こういうところで成り立ってきたんですが、これからは人が一気に動くと感染リスクが高まるという新しい要素が出てきたので、
今までの「一斉に旅行をする」というこのあり方自体を見直していかないと根本的な解決にならないのではないかなというふうにも思います。

内田嶺衣奈キャスター:
もちろん観光産業への緊急の対応というのは今必要なんですけれども、withコロナの状態がしばらく続くという可能性もある中で、
「この夏」という意識ではなくて新しい旅行のあり方をあわせて考えていく必要がありそうですね。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
そういう意味ではこの旅行の前提となる休みのあり方自体も見直していく。
私はこの「休み方の改革」ということが実はこれから大事だと思うんです。
これは「働き方改革」と「休み方改革」は表裏一体で実は裏表です。
ですからこういった休み方のあり方自体をそれぞれが自由に同じ時期じゃなくて、いろんなタイミング取れるこういったあり方を進めていく。
さらにはそれによって「分散休暇」の流れというものを進めていくことによって、感染リスクを防ぎながらも旅行できるようにして両立を図っていく。
こんな方向にする必要があると思うんです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
分散休暇は、かねてから必要性が叫ばれていたんですが、中々それを実現しなかったんです。
ただ今回のコロナ禍によってリモートワークの流れが進むようになりますと、働き方がだいぶ変わって、自由に場所とか時間を選べるようになると、休み方も変わってくると思うんですね。
これは職場だけではなくて教育現場もオンライン教育を浸透させるようになると休み方を自由に選べるようになってくる。
こうなると分散休暇の流れというのは作りやすくなるので、ぜひそこの流れを加速する必要あるんじゃないかなと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
その「分散休暇」が進んでいけば混雑による3密のリスクというのも回避できそうですよね。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
旅行する側にとっては混雑も回避できるし比較的値段も安くて済む。
観光業の方にとっては旅行シーズンだけ人が来るのではなくて、人の流れを平準化できますから経営が比較的安定してくる。
さらに社会全体が感染リスクを防ぎながらも旅行ができるようにして経済は両立する。
こういったwithコロナの三方良し。
こういった流れにつなげることを期待したいなと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
今年の夏休みに関してはタイミングやそして行き先など例年以上に悩まれているという方も多いかと思います。
「分散休暇」や「3密の回避」それぞれが今できることから取り組んでいきましょう。

(「Live News α」7月17日放送分)