小池知事「よく考えていただきたい」

東京都の小池知事は、午後の会見で政府主導のあの政策に注文をつけた。

東京都 小池知事:
現在の感染状況を踏まえますと、実施の時期とかその方法などについては、改めてよ~くお考えをいただきたい

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感染者が増える中、旅行代金の割引キャンペーン「Go To トラベル」について再検討を求めた。

大阪の吉村知事「いきなり全国反対」

同じく異論を唱えているのが、物申す大阪府のトップ・吉村知事。
その吉村知事は15日、コロナ対策に関する要望書を手に各大臣のもとを行脚した。
最初の相手は西村経済再生担当相。大臣の方から拳を突き出され、二人でグータッチ。

その直後には高市総務相を訪ね、最後は加藤厚労相と面会し、あわせて3大臣に要望書を手渡した。

友好ムードは前日の官邸でも。
そこには安倍首相だけでなく、小池知事と舌戦を繰り広げている菅官房長官も同席。
日本維新の会副代表でもある知事を、官邸のトップ2が迎えるという厚遇ぶりだった。

安倍首相(14日 首相官邸):
コロナウイルス感染症対策に、力強いリーダーシップを発揮しておられる。敬意を表したい

全国に存在感を示す吉村知事だが、各地域一律での「Go To トラベル」キャンペーンについては、改めて反対を表明した。

大阪府 吉村知事:
今この状況で全国に広げて、いきなり全国から開始するということについては反対ですし、やるべきではないと思います

他の知事からもノーの声

まずは近隣の都道府県など、対象範囲を限定して行うべきだとする吉村知事の提案。
同様の声は他の知事からも…

新潟県 花角英世知事:
段階をつけてやっていく、順次開いていくという方法はあるんじゃないのかなという気がします。

佐賀県 山口祥義知事:
(全国)一律的な仕掛けでやるのは、ちょっと無茶じゃないかということを申し上げている。

全国一律での前倒しスタートに各地から上がる「ノー」の声。
そうした中で注目されたのが、小池知事の意見表明だった。

その東京では15日、165人の感染を確認。
7日連続で3ケタとなる中、小池知事は現在の感染状況について、4段階の警戒レベルのうち、最も深刻な「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。

国会や永田町でも異論

こうした状況に国会でも議論が…

国民民主党 馬淵澄夫議員:
不安の払拭どころじゃないですよ。不安の増幅ですよ!その状況であれば、このキャンペーンを実施すべきじゃないということなんです

西村経済再生相:
各県の知事から、あるいはいろんな声が来ていること、国民の感情心情にもしっかりと寄り添いながらですね、国交省においていま検討を進められている

実は、政府・自民党の一部ではこれまでの空気に変化も…

政府関係者:(実施延期論について)
「確かにごもっともな意見ではあるよね」

自民党閣僚関係者:
「僕の肌感覚だけど、これは変わると思うな」

遠方への移動をためらう声は、東京の街からも上がっている。

20代:
最近本当にすごい増えてるので、遠出はちょっとなという感じですね

50代:
本当は行きたいんですけれども、でもちょっとここで我慢した方が国民のためになるのかな

地域限定のキャンペーンなら?

では移動の範囲を限定した場合、その効果は出るのだろうか。

伊香保温泉のある群馬県では、国に先駆け独自のキャンペーンを実施。県民が県内の宿泊施設を使った場合、宿泊料金から5000円を割引している。

その結果、伊香保温泉にある美松館では現在利用客の8割が群馬県民になったという。

美松館 髙橋秀樹社長:
これは(効果)抜群にあるんじゃないかと思います。群馬県のキャンペーンに押されているような感じかもしれません

では、国のGo To キャンペーンで範囲を限定することに賛成かというと…

美松館 髙橋秀樹社長:
感染状況が厳しいので、本当に期待と不安と半々というような感じでしょうか。
全国「よーいどん」とスタートしてフェアな形で、お客様に来ていただくのが一番良い方法だと思うんですけども

発生が懸念される”Go To クラスター”。
政府は16日に開かれる分科会で専門家から意見を聞きながら、キャンペーンの詳細を決めていく方針。

(「Live News it!」7月15日放送)