メルカリが「売れる福袋」を発表

若者が集まる「SHIBUYA109」で、メルカリが12月18日に発表したのは「売れる福袋」。

その中身は梱包材。そう、これは“売りに出せる”福袋だ。

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自分が買った福袋にサイズが合わない商品などがあっても、その場で写真を撮って梱包し、出品することができる。

品物の保管や送付作業は、今まで通り自分でやる必要があるが、買った商品をその場できれいに撮影でき、配送時に必要な梱包材が無料でもらえるというもの。
(※対象店舗でメルペイを利用して福袋を購入した人、またはメルペイ利用で2000円以上購入した人が対象)

SHIBUYA109・澤邊亮総支配人:
若い人たちの消費マインドなどに、「失敗したくない」という傾向がかなりありますので。

その場で売れる安心感から、福袋購入のハードルを下げる狙いがあるという。また、メルカリに出品される福袋関連商品の数は、3年前と比べて約2倍に増加。さらなる出品数の増加につなげたい考えだ。

株式会社メルカリ マーケティングチームマネージャー・原田和英さん:
「やっぱり違った」という時にメルカリを使っていただけるといいなと。不要品を捨てなくてよくて、いいものはお金になるので、もっと福袋を買う人が増えるといいなと。

福袋といえば、何が入っているのかわからないワクワク感そのものを楽しむものだったが、店頭での物々交換が当たり前になり、あらかじめ中身がわかっている福袋が人気を呼ぶなど、福袋へのニーズは時代とともに変化しているようだ。

物々交換や転売も...中身に一喜一憂する人たち

そんな福袋の文化について、街の人はどう考えているのだろうか。

受付(30代女性):
福袋を買うのはほぼ毎年くらいです。

ーー購入する理由は?

受付(30代女性):
ちょっとワクワク。あと元旦の朝一に朝早く起きて、電車で行く時の気持ちが新しい気持ちというか。

人材関係(20代女性):
学生の時、3~4年前まで買っていました。好みじゃない物の時は、親戚のいとことかにあげる。年下の女の子なので、お姉ちゃんからもらったら、なんとなくありがとうって。嫌でも受け取ってくれるので。

このほか、物々交換や転売をするという人も。

医療事務(50代女性):
子供服の詰め合わせを過去に買いました。友達同士で買いに行った時は、交換したりとかそういうのはありました。好みとか色とか、「うちと物々交換する?」とか。

コールセンター勤務(20代男性):
友達が福屋をやっていて、アパレルの店員だったので、それで去年買ってあげた。(入っていたのは)ダウンで、単純に自分の好みの色じゃなかったので売っちゃいました。

ーー売る時に友達に対して悪いとは思わなかった?

コールセンター勤務(20代男性):
いや、思わなかったです。いらない物はいらない。

金融業(20代男性):
わざわざ5時間くらい並んでいざ買って、友達と一緒にデパート出て開けてみたら、「全然駄目だなこれ」みたいな感じだったので、お互いにがっかり。それで買うのをやめた。思い返してみると、確かに青春時代は毎年親と並ぶとか、友達と並んだりするのはすごく楽しかったなというイメージはあるので。物よりは時間の共有じゃないが、そういうのは10年以上経っても思い出として残っている。

福袋のワクワク感と商品選択の合理性を両立できるサービス

三田友梨佳キャスター:
さまざまな街の声がありましたが、お店の福袋に勢いがなくなったところに新たに登場した試みです。どうご覧になりますか?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
三田さんは福袋を買いますか?

三田友梨佳キャスター:
私は買わないです。いらない物ばかりだったら嫌だなと思ってしまって。

長内厚氏:
そこだと思うんですよ。福袋を買ってみたいとワクワクするんだけども、いらない物があったらどうしようと。欲しいものだけが欲しいという合理性と、体験という価値。これを両立できることが、このサービスのいいところじゃないかなと思うんですよね。

三田友梨佳キャスター:
体験と合理性ということですね。

長内厚氏:
単に欲しい物を安く買いたいというのであれば、突き詰めればネットでいいわけです。でもそうではなくて、買い物をするプロセス。ワクワクしながら欲しい物を探す、あるいは何が入っているか分からないワクワクさみたいなものは、ひとつのエンターテイメントになると思うんですよ。

長内厚氏:
買い物をエンターテイメントとして捉える価値と、実際に必要なもの、必要ないものがあった時に、そこは合理的に切り分けたい。いらないものを使ってもらえる人に渡せるような仕組みを作る。機能的な面と情緒的な面をうまく切り分けることができるサービスなのではないかと思います。

三田友梨佳キャスター:
しかも今回使わないものは、送り届けることができるというシステムですよね。

長内厚氏:
無駄にならないところがポイントだと思うんですね。環境に配慮するような、エシカル消費が重要になっているものですから。無駄にしないという意味でも、このサービスは価値があるのではないかと思います。

三田友梨佳アナウンサー:
消費者側からしても、注目商品をお得に手に入れることができて、いらないものはお金になるというのは、もちろん手間はかかるんですけども、メリットは大きいように思います。福袋の新しい形として、定着できるでしょうか。


(「Live News α」12月18日放送分)