いよいよ明日12日、歴史的会談が行われる。フジテレビ・鴨下ひろみ解説委員に聞く。

島田彩夏キャスター:
鴨下さんは長年北朝鮮の取材に関わってきましたが、今回、鴨下さんが注目したのは北朝鮮の金委員長の同行者。この努光鉄(ノ・グァンチョル)氏、玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏の2人。これはどういう意味でしょうか。

“穏健派”の人民武力相を同行

鴨下解説委員:
この努光鉄人民武力相、この人は国防大臣にあたる人なんですが、5月に交代したばかりで穏健派と言われています。
5月というのは、4月に金正恩委員長がこれまでの核とミサイルを開発するという路線から経済優先の路線を取るということを党の会議で決めたんですね。
これを受けて軍に穏健派を持ってきた。
このことは、アメリカに対するアピール。要するに、核やミサイルの開発はやめて,経済をやるんだよということを、いわゆる“象徴する意味で” 人民武力相を同行しているのではないかとみています。

“三池淵管弦楽団団長”同行の狙いは?

もう1人の玄松月さんですが、この人は平昌のオリンピックで芸術団を率いて韓国にも行きました。
芸術公演で自分も歌を歌ったりして、韓国の世論をやわらげるのに非常に大きな役割を果たした人なんですが、実は北朝鮮の内部では、プロパガンダを担当している「宣伝扇動部」というところの幹部でもあるんです。今回、この人がなぜついてきたかというところは非常に大きなポイントになるのではないかと思います。

やはり、米朝首脳会談、歴史的な会談を北朝鮮内部の住民に宣伝するということ。

それから、もう1つは、もしかしたらアメリカに北朝鮮の芸術団を派遣して北朝鮮とアメリカの関係改善を盛り上げようという思惑があるのかもしれません。

折衝を続ける3人の共通点は“情報機関”

島田:
そして明日の歴史的な会談に向けて折衝を続けてきた人たちはこの人たちなんですね。
アメリカのポンペオ国務長官そして、北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長、韓国の徐薫(ソ・フン)国家情報院長。
鴨下さん、この3人の意味合いというのは?

鴨下:
この3人が実はいずれも情報機関と非常に強い接点を持っている人たちなんです。
ポンペオさんは前CIA長官。
そして、金英哲さんはずっと対外諜報機関ですとか、工作活動に携わる軍の偵察総局の総局長というのを務めていました。
その意味で非常に深い情報や人脈を持っていて特殊な絆で結ばれるということができるんですね。

島田:
一方、日本からは谷内国家安全保障局長、金杉アジア大洋州局長が向かっているんですが。

鴨下ひろみ解説委員

鴨下:
この人たちは、外交を主に携わってきた人たちで情報機関とは一線を画します。
その意味で人脈や共通の情報源というものはない。そういう意味でちょっと日本的には苦しいかなと。
金英哲さんは大きな鍵を握っているんですが
そことの接点もないんですね。その意味で非常に厳しいと言わざるを得ません。

(プライムニュース イブニング 6月11日放送分より)

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